高知パルプ生コン事件 公演情報 燐光群「高知パルプ生コン事件」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★

    「現代に蘇る環境問題に抵抗した人々の記録」

     1970年代に高知市で製紙工場の廃水が起こした環境汚染の被害と、それに対抗する人々が排水管に生コンクリートを流し込む実力行使を行った事件を燐光群が舞台化した。

    ネタバレBOX

     かつてはヴェネツィアや柳橋のような清流が流れていた高知だったが、 工場の廃水で川が汚染され健康被害を訴えるものが後を絶たない。そこに2026年からタイムスリップしてきた少女(永瀬美陽)が、工場の職員の女(円城寺あや)と一緒に働き当地の様子を見聞きする。並行して地元の漁師や運動家たちの動向を俳優たちが兼役してつむいでいく。大規模なセットがないながらこの俳優たちの語り口に聴き応えがあり、往時を思い起こすことができた。そのなかでも森尾舞の語りの雄弁さ、切り替えの見事さに見惚れた。ただ事件の全容がセリフで説明し尽くされた感は拭いがたく、暗転も多いため集中が途切れがちになってしまった点は残念である。

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    2025/11/07 15:55

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