公演情報
新国立劇場「焼肉ドラゴン」の観てきた!クチコミとコメント
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2025/10/22 (水) 13:00
日韓国交正常化60周年記念公演『焼肉ドラゴン』作/演出 鄭 義
舞台の伊丹市とほど近い神戸に住んでいた。時代は1969年から71年、中3から高2だっただったか。小中、特に小学校では韓国出身のクラスメイトが多かった。台湾ルーツの子供も。通学経路には朝鮮学校があった。社会人になって鶴橋の焼肉屋にはたまに行っていた。焼肉の匂いに包まれる街。
時代を切り取る流行語や、上演前のアコーディオンで弾いていた曲達は懐かしかった。
在日韓国人、直接的には描かれてなかったが、差別。そして居住している劣悪な環境の地区。
戦後を生きて来た両親、そこで育った子供達、三姉妹、彼が生きた 3年を描いた 2時間45分の上演。私立中学での韓国人へのいじめ、自死を選んだ彼。時生はちょうど同じ世代だ。生きて欲しかった。我々の世代はいじめはほとんどなかったのだけど、小学校時代、同級生は何人とか何も気にしていなかった。
劇中、台詞にあった済州島での事件のこと、あとで調べてみるが、島民の惨殺/虐殺。
次女夫婦の北朝鮮への移住。在日の帰還事業の結末を知っている訳で、あの出発がどういうことを意味するのか、悲しい気持ちを抱く。
そういったことを背景に、厳しい時代を生きて来た夫婦の姿、家族、時生の姿に最後は涙が止まらなかった。
でも、あの最後のシーン、笑いを生んでいた様に、次へのスタート、辛いことになるのだけど、次へと歩き出す姿だと受け取った。未来への消えていったのだと