幸せになるために 公演情報 “STRAYDOG”「幸せになるために」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    内容的に語弊があるが 面白い、お薦め。
    説明にある「1985年8月12日に起きた日航機墜落事故」のドキュメンタリー演劇のようであるが、それを実体験するようなイマーシブ感が凄い。少しネタバレするが、会場を「日本航空123便」に見立て 観客は乗客といったところ。場内は客室乗務員の制服を着たキャストが案内する。墜落直前は、客席通路で乗務員が非常時対応の指示をする。場内全体がダッチロールするような臨場感そして没入感に驚く、同時に舞台上の情景が…。

    映画撮影の劇中劇のような描き方、そこに集まった人々の想いが違った筋書きへ変えていく。日航機墜落事故から今年で40年、遺族の悲しみは癒えることはない。物語は、遺族や関わった人々だけの問題ではなく、二度と遭ってはならないという警鐘でもある。内容的には重いが、“STRAYDOG”らしい 歌やダンスといったエンタメ性で観(魅)せる。そのバランス感覚のすばらしさ、観応え十分。
    (上演時間2時間 休憩なし)【B】

    ネタバレBOX

    舞台美術は、正面奥に大スクリーンといくつかのパイプ椅子があるだけ。

    物語は 説明にある「とある廃工場に映画の撮影で集まった人々・・和気藹々」といった描き方で、撮影も「ハドソン川の奇跡」のような筋書。しかし 集まっていたのは、日航機墜落事故の遺族。そして墜落の事実 その裏に隠された真実を知るための筋書へ変わっていく。国家機密の隠ぺい説など、いろいろな憶測が飛び交う。

    前半は、123便の乗客の生前の暮らしを点描し、変哲のない幸せな日々が紡がれていく。その狂言回し的存在が 鳥居みゆき さん。客室乗務員だったが、当日非番のため事故に遭わなかった。そんな複雑な思いを抱えたまま生きている。
    後半は、事故現場の様子が凄まじい。自衛隊の救助、医療隊の救護の状況を 早口で実況するように喋る。その姿を 天井からの白銀のスポットライトまたはバックサスで照らし印象的に演出する。その場の緊張感・緊迫感がヒシヒシと伝わる。その後、パイプ椅子を並べ、その上にシーツを被せ遺体収容所を出現する。遺体との対面シーンは悲しみで胸が締め付けられる。その時は暖色照明で、実に巧みに心情を浮き上がらせる。

    墜落状況はスクリーンに飛行映像を映し、舞台上では 乗客が家族などに向けて書いたであろう手記/メモを傍白する。先に記したように乗務員に扮したキャストが通路で身振り手振りを交え 動き絶叫する。会場床が揺れ、本当に機内にいるような錯覚に陥る。その臨場感に圧倒される。
    悲しみは、嘆くだけではなく 抱きしめるもの。ラストは「上を向いて歩こう」の歌。
    次回公演も楽しみにしております。

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    2025/10/12 08:17

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  • 観劇ありがとうございました。
    とても丁寧に作品の構成や演出意図を感じ取ってくださり、心から感謝いたします。
    本作はドキュメンタリーではなく、フィクションの中に“真実に触れる感覚”をどう立ち上げるかを大切に創りました。
    観客の皆さんにもあの日の空気を体感していただきたいという思いから、会場全体を123便に見立てた構成にしています。
    重いテーマを、エンターテインメントの力で伝えることが“STRAYDOG”の信条でもあります。

    「真実は、心を動かした瞬間にだけ生き続ける」

    2025/10/13 00:16

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