ワンアクト・ミュージカル・フェスティバル 公演情報 ワンアクト・ミュージカル・フェス実行委員会「ワンアクト・ミュージカル・フェスティバル」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★

    「バディもの感のある『ロミオとジュリエット』」

     小劇場で日本語の新しいミュージカルを上演する「ワンアクト・ミュージカル・フェスティバル」の企画でDAWN PROJECT「ロミオ アンド ジュリエット アット ドーン!」を鑑賞した。翻案・脚本・作詞はオノマリコ、演出と振付は小林真梨恵、音楽は後藤浩明である。

    ネタバレBOX

     タイトルからわかる通りシェイクスピアの「ロミオとジュリエット」を下敷きにしているが、ロミオ(工藤広夢)をカミングアウトできないゲイ男性、ジュリエット(松尾音音)をレズビアンよりのクエスチョニング女性と設定し、二人の邂逅を恋愛ではなく友情に近しいものとして描いたことが本作の大きな特徴である。ここにバイセクシャルでロミオを誘惑し次第に陥れようとするマキューシオ(藤原章寛)や、娘のジュリエットを操り人形のように見ているキャピュレット王(植野葉子)という人間関係を織り込み、SNS社会で噂が噂を呼び次第に若い男女が追い詰められていく過程を歌と音楽で自在に紡いでいた。

     出演者は皆達者で見どころも多かったが、やはり主演二人のベランダの二重唱の場面が特に印象に残った。行場のない二人がお互いの一番の理解者を見つけたかのような前向きな感覚が、これまでの「ロミオとジュリエット」にはない新鮮さであった。

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    2025/10/12 00:10

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