公演情報
劇団身体ゲンゴロウ「ジャンク・チャック・ハック」の観てきた!クチコミとコメント
実演鑑賞
満足度★★★★
有名な2つの物語(世界)が重層的に繋がり、独特な世界観を築き上げている。それは十代後半から二十代前半にかけての若者の夢や希望 そして不安が入り混じった表現し難い感情を巧みに描いたシリアスファンタジー。
現実と夢想、不安と滑稽の境界を飛び越えながら、誰もが抱く孤独とその先の希望を浮き彫りにしていく。熱っぽくリアルで残酷なこの物語は、<その年齢 特有>のものかもしれない。観客が立ち会うのは、その若者たちの自立の瞬間だ。しかし そこから先は未知の世界が待っている。悩み傷つくかもしれないが、二度と戻らない時代を仲間と過ごしたことも事実。それが これから生きていく糧になる。
俳優陣は、まだ何者にもなれていない等身大の若者像をしっかり立ち上げる。前作「最初の二十面相」で、「怪人二十面相(江戸川乱歩)」+「小さな王国(谷崎潤一郎)」を翻訳した路線であろうか。
少し気になるのは 構成が技巧的で複雑といった印象、それが見巧者向けと受け取られたら勿体ない。
(上演時間2時間 休憩なし)