D.S.T.P (Don`t stop the play) 〜芝居を止めないで〜 公演情報 A.R.P「D.S.T.P (Don`t stop the play) 〜芝居を止めないで〜」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    面白い。
    「シチュエーション・コメディの新定番」という謳い文句。チラシの説明の通り、一般の客が来る喫茶店でリアルに演じることが求められる映画の最終オーディション。現実と虚構が混在し 想定外のハプニングが次々と起こる。タイトルから映画「カメラを止めるな!」を連想したが、Don`t Stop The Play ⇨Show Must Go On といった条件以外は違った物語。次の展開がどうなるのかワクワクする。

    少しネタバレするが、遠隔地で審査しているため姿を現さない映画監督、一度きりのオーディション、その一回きりのチャンスに挑む3人の役者と周りの人々を巻き込んでの ありえないアクシデントの連続。一度もカメラは止まらないという〈NG〉が許されない極限の緊張空間。それが いつの間にか、或る事件の現場になっており 何の関係も繋がりもない人たちが一丸となって…。

    オーディションを題材にした笑いと ちょっぴり感動する衝撃 いや笑劇作。計算されつくしたストーリー、でも そんなことを微塵も感じさせないところが実に巧い。
    ちなみに小劇場B1は 2面客席の時が多いが、本公演は一方向のみ(自分が観た回だけか?)。
    (上演時間1時間35分 休憩なし)

    ネタバレBOX

    舞台美術は 喫茶Transitの店内。奥の上手にカウンター席、下手は段差を設え 少し高いテーブル席。観客席側に丸テーブル席が3つ。所々にメニューやフォトフレーム。奥の少し高いテーブル席にプロデューサーとアシスタントプロデューサーが座り 様子を見る。

    物語は 店の店員の弟に彼女ができて、一週間後にこの店でプロポーズする、その段取りをしているところから始まる。そしてラストはフラッシュモブプロポーズで決める というもの。一方、店 オーナーの先輩で映像の仕事をしているプロデューサーから、映画の(最終)オーディションをこの店で行いたいと依頼。店長の思い違いで この2つが同日に行われることになり、誤解と勘違いで大混乱。オーディションの条件は2つ---①45分間でハッピーエンドで終えること、②途中でオーディションということがバレないこと。

    会話の中で ポロっと匿流(トクリュウ)といった台詞がこぼれる。オーディションは、一般客が来る店内で 即興の芝居がどれだけ自然に行えるか、というのが審査のポイント。当日 店には男と女の客が一人ずつ。そのうち 宛名不明の荷物が届き…。次から次とハプニングやアクシデントが続き、観ている客は笑いの連続。3つの丸テーブルには、弟と彼女、オーディションの即興劇、一般客の女。カウンターには一般客の男、その座る位置が計算され絶妙 ドタバタを効果的に観せる。

    喫茶店という日常に、オーディションという非日常を持ち込み、さらに或る事件という非常時が起こる。先に記した匿流が現れ、それを捜査している警察(女刑事)が潜入してくる。一人ひとりの個性というよりは、ハプニングに対応した全員の行動が結果オーライの大団円。そこに自然な人間の姿が立ち上がり…オーディションの結果は言うまでもない。よく考えられた脚本(勝負パンツ、ぶかぶかのズボン)と それを効果的(ベルトで縛る)に しかも印象的(赤いパンツ)に観せる演出がみごと。
    次回公演も楽しみにしております。

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    2025/10/03 05:58

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