満足度★★★
黒鑑賞
「白の章」に続いて、黒を観ました。白より黒の方が暴力的な内容でしたが、深みのある充実した内容で好みのテイストでした。
『バートリ・エルジェーベト』
若い女の生き血を浴びて美貌を保った妃の物語。光のない空間に幽閉されているシーンでは実際に照明なしで数分の間は台詞だけが聞こえる演出で臨場感がありました。その次のシーンでの床一面の赤色がとても映えていました。
『ロマノヴィチ』
連続殺人犯は実は政府側の人間だったという話で、話の盛り上がりに欠ける気がしました。平良和義さん演じるアレクサンドル・ロマノヴィチのやり場のない苛立ちが良く伝わってきました。
『シャウクロス』
サン=ジュストの部下、マーカス大尉と無政府主義者のサッカウェイとの会話劇で、何が正義なのかを考えさせる内容でした。サッカウェイの妻の凛としたした振る舞いが格好良かったです。最後のシャウクロスの半狂乱の姿が物悲しくて印象に残りました。
『シュルレアリスム宣言』
先に観た白のバージョンのときより役者たちが楽しんでいる感じがして、観てる方もちょっと楽しかったです。しかし、このテキストを使う意図がよく分かりませんでした。
このようなオリジナル脚本のシリアスな西洋コスチュームプレイものをやる劇団はあまりないので、今後もこの方向性でさらに洗練された作品を観てみたいです。