ひのないところに 公演情報 青春事情「ひのないところに」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    面白い。
    誰もが知っている消防署の存在、しかし そこで勤務する消防士や救急救命士等の日常は知っているようで あまり知らない。火がないところでも 非がないように務めることの厳しさ 難しさ、それを笑いと悲哀を交えて描いた物語。
    (上演時間1時間50分 休憩なし)

    ネタバレBOX

    舞台美術は、東京消防庁管内にある架空の市ー風間市、そこにある消防署(出張所)内。上手側が執務室、下手側が受付や別空間という外部。天井には「火事と救急は119番」「火の用心」といった標語が掲げられ、全体的に丁寧に作り込んでいる。

    物語は新人消防士の栗林(小林卓斗サン)が緊張のため早朝に出勤し、夜勤明けの先輩消防士の一ノ瀬(加賀美秀明サン)と話すところから始まる。早く仕事をしたい栗林に対し、一ノ瀬は緊張せず自然体で行うよう諭す。火事や救急で出動がないに越したことはない、その何も起きない日々を描く。地域と住民の安心・安全を担うため消防訓練や地元祭りのため消防団と打ち合わせることも重要な仕事。台詞だけだが、火災において秒単位での正確な状況判断と適切対応が生死を分ける と。

    一方、消防署勤務は日々緊張を強いられる。例えば、制服を着たまま署外の自販機を使ったところを見られ、怠慢では というクレーム。また消防訓練時の笑顔がYouTubeで拡散され緊張感の欠如といった非難、それを市役所の職員を介して描いているところが上手い。その職員の後ろには 多くの市民の姿や意見があることを暗示。そこにノイジー・マイノリティといったことへの対応、一方 サイレント・マジョリティーといった不気味さも感じる。

    物語は個性豊かな人々、その立場や性格を立ち上げ日々を紡ぐ。特に署内へ来るヤクルトレディ 丘(内海詩野サン)の飄々とした感じが、署員と違った立ち位置であることを表している。また彼女は、スナック”じょあ”でも働いており、消防署員の本音を聞くという場面も…これによって消防に携わる人の普通の人間性が垣間見える。
    次回公演も楽しみにしております。

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    2025/09/26 10:50

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