今日は、これくらい 公演情報 サンハロンシアター「今日は、これくらい」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★

    ジャンドゥーヤ(gianduja)とはペースト状にしたヘーゼルナッツを混ぜ合わせたイタリアのチョコレート菓子。「ジャンドゥーヤ鶫野(つぐみの)FC」は地元のサッカーチームで現在JFL、J3昇格を目指している。チームの広報を担当する田野良樹氏は地元活性化の為にも町を挙げての応援を望む。市民フェスに参加し「観客5000人プロジェクト」を企画、熱弁を振るう。市民フェス実行委員会の英枝(てるえ)さん。スポンサー企業の部長で高校の先輩でもある内藤トモヤ氏。サポーター代表の刀根直人氏。
    商工会議所職員の高山佳子さんは内藤トモヤ氏の高校時代の同級生。狭い町で皆顔馴染の人間関係。

    市民フェスで余興と司会を頼まれた漫才師・ヒクイドリタカイドリ。タカイドリ、重井貢治氏は喫茶店で働きながらのネタ作り。ヒクイドリ、垣内あきら氏は鶫野に忘れられない記憶があった。

    洋菓子店チェスターの店長、和泉輪さんは市民フェスで特製ティラミスの販売を頼まれる。それを後押しする手伝いの石井花奈さん。

    話の着眼点や流れは万能グローブガラパゴスダイナモスっぽく感じた。年齢層が皆高めの為、夢に向かって突き進むというよりもビターな哀愁が漂う。現実と自分を知ってしまった人間達だからだ。
    小津安二郎の『浮草』のような寂寞感を核として、日がな海を眺める三井弘次のような気分で今作を染め上げたい。
    若い石井花奈さんの一生懸命な姿が舞台を盛り上げる。和泉輪さんとのデュエットは見せ場。

    是非観に行って頂きたい。

    ネタバレBOX

    群像劇というかキャスト等分に話を割り当てている為、何の話だか散漫な印象も。巧く行けばマチルダアパルトマン『フィッシュボウル』の老年版になれたと思う。劇団運営とダブらせていく手法。好きという情熱だけでは他人の心を動かせない現実。だがそれだけを頼りに闇を進むしかない。運否天賦!

    英枝さんに話を集約させる手もあった。全くサッカーに興味のない、夫に先立たれた女性が市民フェスを通じて学生時代の恋人と再会し、サッカーを夢中になって応援する楽しさを知る。まだ世の中、こんなに楽しいことがあったんだ。

    早朝ランニングで出くわした内藤トモヤ氏が田野良樹氏をきつく叱責する。町興しにはサッカー球団だけでなく幾らでも選択肢はある。理詰めで追い込まれた田野良樹氏は独り悔しくて涙を零す。そしてラスト、やっぱり5000人には程遠い集客。これが現実だと立ち去る内藤トモヤ氏。自分なりにやり切った充実感、それとは裏腹の目標を達成出来なかった敗北感、もやもやする頭。池乃めだかの十八番を吐き捨てる。「よっしゃ、今日はこれぐらいにしといたるわ!」(このぐらい解り易くしてもいいのでは)。

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    2025/09/05 15:23

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  • ご観劇ありがとうございました!
    ビターな哀愁漂わせながら市民フェスを盛り上げるために奮闘し、若いチカラに助けられながら公演を乗り切りました〜!(笑)
    いろんな視点から物語を観ていただき、ありがとうございます☆なるほど!と思いながら読ませていただきました。これからの作品作りの参考にさせていただきますね!
    これからも精進して参りますので、どうぞよろしくお願いいたします!

    2025/09/09 21:05

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