2WEEK コンタクト~まだ使えると思ふ~ 公演情報 山田ジャパン「2WEEK コンタクト~まだ使えると思ふ~」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    笑えるけど、ビター
    いやー、噂どおり凄い・・・打ちのめされたというか、自分にとってコメディーのカルチャーショックかもしれません。
    面白いし、笑えるところはきっちり笑えるけれど、ただのコメディーじゃないんですね。甘くない。怖い。
    「子供からお年寄りまで」を対象にしたコメディーではないけれど、コメディー劇団の人にはぜひ観ることをオススメしたい凄腕の劇団です。

    ネタバレBOX

    ベッドルームの舞台。「ここで2週間の出来事を見せるのか?」と思いきや、冒頭の場面転換にまずビックリ!銀色の黒子、銀子?(笑)たちが登場して、ちゃんと芝居しながら場面転換するんですね。ラブホのベッドルームからお茶の間へと、実に手際よく。
    独身女性・鳥子(横内亜弓)が叔父に借りて住む大きな家に同級生やその不良仲間が押しかけてきて、強引に2週間限定の私娼窟にしてしまう。命賭けの深刻な状況なのだが、風俗未経験jの素人たちゆえのてんやわんやの騒動はお色気と笑いが満載。
    彼らが恐れるボス役の尾形雅宏はここでもコワモテのキレたら怖い男なのだが、「地元」にこだわり、小市民的な一面も持ち合わせているのが可笑しい。冷えたメンチカツを「おうちでチンして食べるんだい!」と言うギャップのあるセリフには笑った。
    隣家の熟女・いとうあさこと、その夫、太田恭輔の愛妻家=恐妻家ぶり、勝手に棲み着いている謎の男(ただのあさのぶ)、見るからにヘンテコリンな客・道井良樹ら、達者な俳優が揃って、贅沢である。
    呆れつつも傍観していた鳥子が仲間の彼女のことを「あんただけ体を汚さないつもり?」と非難し、「20万円出すつもりだから」との言い訳をガンとして聞き入れず、結局、客をとらせることになる場面が観ていて痛々しかった。ここは笑えない。非常にビターだ。次元は違うけど、湾岸戦争のとき、「金だけ出して一滴も血を流さなかった」と非難された国のことを思い出してしまった。
    組織の持つ矛盾やひずみを、部外者が抉り出してしまう皮肉がここにはある。
    細かい点では、いとうあさこの衣裳の和服が、身幅が合っていないためか、上前の裾が前下がりの着付けになって、所作の邪魔になっていたのが気になった。また、チンピラの尾形たちが家に乗り込んでくる際、地元の場面ではなかった刺青があるのだが、この刺青は偽物という意味?

    0

    2010/11/01 21:05

    0

    0

このページのQRコードです。

拡大