公演情報
サブテレニアン「ハムレットマシーン」の観てきた!クチコミとコメント
実演鑑賞
満足度★★★★
「ハムレット」及び「ハムレットマシーン」の連続上演というベタのようで余り見なかった企画、サブテレニアン常連の怪優(と思っている)葉月結子出演の「ハムレット」は残念ながら見逃したが、こちらを観劇。何年か前にとある劇団によるアングラっぽい演出で観たが、こちらはお布団・得地氏によるテキレジ・加筆が特徴的な上演となっている。戯曲本を開くと冒頭十数頁程度の戯曲が載り、他は関連の論考や解説でそれなりに分厚い単行本である。そのテキストが、俳優の「動き」(遊び)が作る場面を意味づけるために割り振られ、また日本の今を切り取ったような場面が加筆されている。単純に面白かったし、元が晦渋な代物を「今」を忍ばせる事で「見やすい」舞台となった。ただし本作が「問い」を観客に投げ続ける作品である事からは逃れられぬ、という事も再認識。
アンディウォーホルのコピー・アートと「何百年、何度も演じ続けられてうんざりのハムレット」というモチーフが似ている、というのは自分の浅薄な連想かも知れぬが、ハイナー・ミュラーはある社会的視点(冷戦時の)をハムレットという存在にこと寄せて提供したものであるらしいので、あまり冗談のレベルで語っちゃならん(一定の社会的視野を帯びておらねばならん)という縛りもあるようで。いずれ「ハムレット・マシーン」が「ハムレット」を解体したように、本作が古典的扱いを受け、解体の俎上に乗せられる日も・・? 等と考えてみた。