転転転校(千秋楽・当日券ございます) 公演情報 水素74%「転転転校(千秋楽・当日券ございます)」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    転校の感覚がしっかり
    説明などに記載されているのとはちょっと違った感じでしたが、とてもビビッドな感覚が伝わってきました。

    ネタバレBOX

    そりゃ、子供にとって
    転校ってストレスだし、新しい環境になじむのも
    大人より大変なのだと思う。

    でも、同時に、
    子供なりに何とかしようと思ったり、
    さらには
    転校先の学校に馴染んでいく感覚もあって・・・。

    作品として、
    構成が若干ランダムすぎる印象はあるのです。
    コラージュされていく個々のシーンに
    重なりのムラやつながりのなさを感じる刹那もある。

    でも、ひとつずつのシーンがとても豊かでビビッド。
    親が前面に出て子供を導く感覚がまず強烈だし、
    動作を追いあい、
    戸惑いながらも次第に攻守を変えて追いかけていく表現に
    すっと心が通い合う感覚が生まれ、
    生活のルーティンを表現する時の座る方向に
    集団と個の感覚が鮮やかに浮かび上がる。

    ダイアログに縫い込められた
    いじめの肌触り、
    エチュード風の場面のそれぞれの表現が
    そのまま、まとまりと個性が混在する
    クラスの雰囲気を醸し出して・・・。

    笛の会話のどこかコミカルな感じもよい。
    おんぶから次第に連なっていくニュアンスも
    しっかりと伝わってくる・・・。

    それぞれのシーンの完成度が
    やがて、転校先の日々に溶け込んで・・・。
    だから、再びの転校に
    「慣れた」という言葉が
    すっと実感として観る側にも置かれるのです。

    身体表現がきちんとできる役者や
    演技に創意と精度をもって広がりを生み出す役者・・・、
    いろんな役者の個性が頑張っている感じも
    作品の品質をしっかりと支えて。

    挑むように観る作品ではないのに
    終わってみると、なにか残る。

    シャンル分けするのは難しいし
    好き嫌いは分かれるのでしょうけれど、
    個人的にはとても面白く感じたし
    作品に向かい合う側の想像力をかきたてるというか
    観る側でも膨らむものをがっつり持った
    表現たちであったと思います。

    ☆☆□★★★◎







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    2010/10/31 02:35

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