神様さん 公演情報 MCR「神様さん」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    私のレーゾンデートルは何処に?
    寓話的な色合いの物語の中に、現代的なコトなどを込めていたのではないのだろうか。

    台詞のやり取りが気持ちいい。

    ネタバレBOX

    どこかの国に似た寓話的な国が舞台。
    国の象徴である「姫」は国民のアイドルであり、「神」としても崇められている。
    一方、極限的にまで下手な絵のため、戦略的にもの凄い画家として、やはり崇められている変人がいる。
    さらに最下層で、芋煮会を行うモテナイ男たちがいる。
    そうした社会的な階層が、具体的な3層のセットで示される。

    絶対に交わることのないはずの彼らは、「本当の自分を知ってほしい」という想いから、徐々に交わっていく。
    「自分は何者なのか」は、わかっているつもりだが、「他人はそれを知っていない」と感じているし、「他人にそれを知ってほしい」とも思っている。

    姫にはかつて両親がいたし、変人画家にはいまは亡き最愛の人がいた。彼らが理解してくれていたはずで、それがなくなった現在は、立つ足場がない状態にある。
    そこで、他者(正確には他の階級・階層)の人たちと交わり、彼らに理解してほしいと望む。

    自分を知ってほしい、という欲望から姫は、世話役の女にため口をきいてもらうし、最下層の男性オクダとも接触をする。それによって、オクダに理解されたと思った姫は、彼に恋心のようなものを抱く。
    また、変人の画家は、自分の絵が売れているカラクリを雑誌に暴露し、すべてを失うことを選択する(本当の自分とのギャップにうんざりしていたし)。

    しかし、姫の想いは、自分のことをわかってくれたと思っていた、オクダの一言で打ち砕かれ、変人の行動は、あり得ないミサイル攻撃で破壊されてしまう。

    オクダには、姫や変人のような欲望はない。なぜならば、彼のことを思ってくれる友人たちがいるからだ。オクダがいないときに、荒れた畑をきれいにしてくれるような友だちだ。


    実際には、姫のことを想ってくれる(くれそうな)人も、変人のことを理解してくれる(くれそうな)人も身近にいそうな、結末でもあった。青い鳥の話のように。

    結局、「自分を見てくれる人」がいることで、「私はここにいる」ということなのだろう。
    他人の認知が、レーゾンデートルの源泉であるという物語だったように思えた。
    寓話的な世界と恋愛の根底にあるのは、現代的なコトだったということか。
    「階層(階級)」と「恋愛事情」の要素から、観客はそちら方面に強く引っ張られてしまったと思うが、それがあるからこそ、姫の気持ちがぐっと入ってくることになるという、うまいシカケでもあったのだ。

    音楽は姫にちなんでか、クイーン一色であった(オープニングSEだけは「God Save the Queen」だったかな?(忘れてしまった・笑))

    役者では、姫役の桑原裕子さんが、その感情のきめ細かさを見せるあたりが光っていた。執事のナカガワ(中川智明さん)は渋く、世話役イシザワ(石澤美和さん)のため口からのノリには笑わされた。また、サクライ(櫻井智也さん)のねちっこさがと、キタジマ(北島広喜さん)のいい人ぶりがが印象に残った。

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    2010/10/28 07:43

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