動かない生き物 公演情報 らくだ工務店「動かない生き物」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    分からない生き物
    林和義の佇まいが良かった。 
    後半に折り返すところで、観客に背を向けて述懐する場面があるのだけど
    まさに背中に哀愁というか、醸し出される深みがたまらないです。

    結構登場人物同士の掛け合いが面白く、よくありがちな、狙い過ぎて
    外してしまっている部分も殆ど無いので、気持ちよく笑いたい!っていう
    人には結構お勧めかも知れません。

    ネタバレBOX

    動物の気持ちが分かるというボランティアの女性(麻乃佳世)に、
    動物園の職員(古川悦史)が言った台詞に思わずハッとした。

    「貴方、動物達の何を知っているっていうんです?」

    「プレーリードックが何を食べるか、そういうこと分かりますか?」

    現実でもよくある、日常のあらゆる場面で遭遇する「表面的に
    分かっていること」と「突っ込んでいかないと分からないこと」の違い、
    言われてみれば気が付くのに普段は隅に置いておいてしまって
    いるものを見事に喝破された気分でした。

    自分の目の前にいる人が幸せそうに見えても、実はそのように
    表面的にふるまっているだけで、心の奥底では悲しみを
    押し殺しているのかもしれない。

    自分がした親切に相手が一軒喜んでいるように見えても、その裏側では
    やれやれと厄介な風に感じているのを噛み殺しているのかもしれない。

    それは、表面的に見ているだけでは分からない。

    同じ人間でも、ほんの表面上の付き合いの相手と、気心の知れた
    親友という間柄との相手では全然見え方が違うように。

    他の何よりも、人間が一番厄介で「分からない動物」なのかも。


    役者はみんな上手かったですね。 永滝元太郎の、所謂「ハッキリ
    しない」感じが上手く出過ぎてて生々しかったです。 そして一々
    面白かった(笑 役者陣、皆笑いの間の取り方が上手いね。
    嫌らしくない笑いが良かったです。 

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    2010/10/26 23:21

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