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海と日傘
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クチコミとコメント
公演情報
R Plays Company「
海と日傘
」の観てきた!クチコミとコメント
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住み込みの女(573)
実演鑑賞
満足度
★★★★
ネタバレ
ネタバレBOX
松田正隆『海と日傘を』観劇。
1996年に岸田戯曲賞を取った作品
長崎に住み、床に伏せることの多い妻と教師をしながら細々と作家を営む夫。大家夫婦や医者、雑誌編集者を囲みながら、ゆっくりと時間は過ぎていくのだが…。
今では観る機会の少ない松田正隆の戯曲で、前後して平田オリザが岸田戯曲賞を取っている。
1990年代の演劇界は、80年代小劇場の勢いが下降し始め、若者たちが離れていく中、口語演劇が狼煙を上げ、小劇場ではなく、演劇として評価され始めた時期だ。
平田オリザの口語演劇に感情を揺さぶられることは無いが、松田正隆に描かれる日常に、少なからず80年代小劇場の匂いを感じ取る事が出来、劇的なるものが隅々に存在している。
余命3ヶ月の妻と最後の旅行をする夫の下に、元雑誌編集者の女性が現れ、ふたりの間柄を察知した妻が、突然止まってしまったかのように、死の世界に導かれ、白日夢の夫は妻に永遠の愛を約束するという流れだ。演じる俳優陣もかなり強者ばかりで、主人公だけが物語の軸ではないと言わんばかりに、各々が強烈な役柄を演じている。
余計な情報を一切与えず、静かな日常を延々と切り取っているだけと思い込んでしまい、物語に妄想に妄想を膨らませるも、瞬時に割ってしまう作劇の巧みさには唖然としてしまった。口語演劇と80年小劇場が見事に混じり合った傑作である。
初演を観ずに、今観たからこそ、このような感動を得ることが出来たのだろう。
大傑作である!
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2025/07/20 16:09
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