みんな鳥になって 公演情報 世田谷パブリックシアター「みんな鳥になって」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    ユニークな企画の現代劇公演である。作家のワジディ・ムワワドはレバノン生まれのフランス語。アラブ語の作家で、三軒茶屋の世田谷パブリックシアターで問題の多い中東地域で生きる人々の民族、宗教、家族の葛藤を描いたシリーズを上演してきた。演出は上村聡史。
    これまでに三作(炎、、岸、森)をやっていて重厚なタッチで苛酷な環境(人間、自然)に生きる人間を描いてきた。固定ファンもいるらしく中年女性が主体の客席は満席である。しかし、これは、予習をしておくべきだった。こも地域は一度しか行ったことがないし、勉強不足で、登場人物が、恋人の間、親子の間、兄弟の間などで、出生や民族で対立し悩んでいくのがその理由がその場で頭に入っていかない。これが最大の問題で、重厚なタッチの演出(その物々しさだけでも十分舞台を引っ張っていく力がある)で集団感や個人の出生のドラマを追っていく。
    上村聡史の見せる演出は見事だが、こういう地域民族演劇になってくると違和感もある。中東らしくないのである。もちろん最初の場面はNYの現代的図書館で、アラブ系のアメリカ人の男の子と、あまりもう民族意識も薄いユダヤ系ドイツ人の女の子が出会い恋物語の軸で始る。だが、どうしても、話が進んで主人公たちが次第に捕らわれていく民族が嘘っぽい。というより、日本人の役者で表現しきれないところが残ってしまう、というか、舞台の上でやられていることは、アラブの現代化で、そこで見る方は、言葉としては分っていくがリアルは抜けていく、とでも言うか。作今、「千と千尋」がロンドンのウエストエンドで好評というが、当たっていても芯はぬけているのではないかと、危惧してしまう。ユダヤ系を許さないアラブ系の父、というのも、役者の役解釈としてはこれでいいのだろうが、そして、近代劇としてみれば、これでなければ、各地各地では出来ないのだろうが、現代を背景にドラマの上演法の難しさしたあるのではないかと思う。
    麻美れいと岡本健一がこのシリーズはよく出ていて、今回も役を果しているが、やはり日本の役者であることはわかりない。。

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    2025/07/13 05:25

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