花がこがれる 公演情報 アユカプロジェクト「花がこがれる」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    時間と場所を自在に操った幻想劇。この世界観に浸れるかどうかが肝。謳いにある「香りを演出に加えた」は、会場入り口で お香を焚き 優雅な匂いを漂わすが、物語に直接影響しているかどうかは判らない。

    舞台美術や人物の名前が 物語の世界観を表しているが、それに早く気が付くか。救いか冒涜か、人の心の奥底にある願望、それを現代では別の形で…。
    (上演時間1時間45分 休憩なし)【Bチーム】

    ネタバレBOX

    舞台美術は中央奥にゴシック建築にみられる尖塔型窓3つ、その下に祭壇飾り。上手/下手に多くの花が活けてある。特に下手は、大木の枝が中央方向へ曲がり葉が茂っている。手前に横長テーブル2つ。全体の雰囲気は妖しげ。キャストは客席通路を使うが、それによって別空間があることを表す。

    物語は 説明にある通りで、魔女の家を花屋と間違えて来た迷い子が、魔女に「夢を終わらせにきました」と。時間と場所は、中世or近世ヨーロッパの魔女の家(スナック魔女 カガミ)と現代の花屋。この2つの時間軸を行き来するが、さらに迷子の女性 アイリスが生死の狭間にいる魂、という二重の仕掛け。ここは何処 といったミステリアスな雰囲気、その中で紡がれる不思議な話がどう展開していくのか、その関心と興味を惹く巧さ。

    魔女の家には多くの人々が集まり賑やか。いつも同じ話の繰り返しで盛り上がるが、その先の進展がない。今見ているのは夢の世界。そして集まっているのは死者、しかも不遇な亡くなり方である。魔女は死者を蘇らせようと研究(日本では反魂〈香〉?)をしており、冒頭 試験管とピペットを持った姿がそれを表している。この行為により異端審問となり、宗教裁判にかけられる。勿論 魔女狩りであり、花の魔女 カガミ、星の魔女 プラネを指す。一方、現代の世界では 意識不明のアイリスが入院しているが…。ちなみに現代の蘇りはAIで?

    アイリス(花)は、その香りに効能があること。花言葉は「希望」や「信じる心」だという。物語に込めた意は、アイリスという女性そのもの。魔女の家(中世or近世)と花屋(現代)のシーンは、照明光を微妙に諧調させ 明るさが違うような。それによって雰囲気が違い、同じセットでも異空間といった感じ。ただ 登場人物が違っているにもかかわらず、世界観の違いが鮮明にならないのが惜しい。
    次回公演も楽しみにしております。

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    2025/07/07 05:11

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