逆光が聞こえる 公演情報 かるがも団地「逆光が聞こえる」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    加害とその先を描く作品が多い中、加害の前とその根深さが掘り起こされていた。
    過去はぼんやり眩しくて、時に逆光の写真の様に見える。そうして見えにくくなってるもの、あるいは見えにくくしたものに目だけでなく耳をもすませるような。文字通りそんな作品だった。

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    ネタバレBOX

    私は昨年観た加害者の更生を描いた演劇を受け止めきれず、長い間引きずってしまった。だけど、いや、だからこそこの作品を観られてよかったと心から思った。
    学校でのいじめ、会社や創作現場でのハラスメント、そして性加害。それら暴力を決して同列に、相対的には扱わず、しかしどの問題の根元にも潜むものをともに探すような時間だった。簡単に答えを出さない、ドラマに持ち込まない真摯さに貫かれた作品だった。チラシの写真、観る前後で全く印象が変わる。見えていなかったのか、そう思い込みたかったのか。どちらだろうと問われた気がした。そう"自らの加害性を見つめる、冷たい春"だ。加害も被害も発生した以上消える事はない。和解や更生は収束でも終息でもなく、そこを通過して人生が続くだけ。そして誰もが何方もの可能性を等しく持っている。その前提から物事や人々が照射されていたことに私は光を見たのです。
    今の私に必要な演劇だった。

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    2025/06/30 23:57

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