骨と肉 公演情報 JACROW「骨と肉」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    何となく大塚家具のお家騒動は知っていたが、そこまで興味はなかった。2014年から2015年に掛けて世間を賑わせた創業者一族による骨肉の争い。2017年に舞台化。

    メチャクチャ面白い。
    開幕からリングアナ(日替わりゲスト)の口上で選手入場。第2次UWFの全選手入場式を思わせる興奮。UWFのテーマ曲が欲しいくらい。プロレスチックなコスチュームで登場する役者陣。プロレスラーのアピールを模したジェスチャーで観客を煽る。新日本プロレス対UWF5対5イリミネーション・マッチの様相。ステージはもろにロープの張られたリング。舞台の端に津軽三味線・楽風(がくふう)の二人が上手下手に分かれて生演奏。リードギターとサイドギターのように音の組み合わせが練られていて見事。

    主演の社長・川田希さんは女子プロレスラーっぽく華やか。最初から最後まで光り輝く美人、まさにエース。いい女だな。厚底スニーカーもキュート。
    対する父親である会長・谷仲恵輔氏はいつもながらに最高の出来。
    銀行マン出身の社外取締役・中村ノブアキ氏は劇団主催で脚本演出も兼任。それでいて持ち味の妙味で笑いもかっさらう凄腕。
    実はかなり重要な存在である主人公の妹、専業主婦の福圓美里さん。こういう複雑な立ち位置を演らせると嵌る女優。彼女の存在がこの物語に文学性を与えている。
    その旦那である取締役・狩野和馬氏もキーマンに。
    会長ベッタリの本部長・芦原健介氏は橋下徹っぽい胡散臭さ。

    見事なるエンターテインメント。観劇好きで今作を観れなかった人は不運だろう。
    是非観に行って頂きたい。

    ネタバレBOX

    ラストシーンは印象深い。自分とは違う他人の意見も真摯に聞くことができたなら。自分の中にはなかった意見にこそ生きるヒントがあるのかも知れない。お互い歩み寄れればもっと良い結果があったのかも知れない。だが他人ごとだとそう思えても自分ごととなるとうまくいかないもの。

    株主総会で敗れ、会社を辞めた会長は長男と2015年、新会社「匠大塚」を設立。高級路線を突き進むもどうにも先行きが見えない。
    大塚家具は業績悪化の為、2022年ヤマダデンキに吸収合併された。
    ニトリ、無印良品、IKEAに食われた日本の家具業界。

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    2025/06/20 15:30

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