黒いのは大抵、白いのよりほんの少し高い音で鳴く。 公演情報 空想実現集団TOY'sBOX「黒いのは大抵、白いのよりほんの少し高い音で鳴く。」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    謳い文句「運命論×メタ視点×ブラックコメディ!」の通りで、内容的には サスペンス/ミステリーであるから ネタバレも含め 詳しくは書けない。何となく、映画にもなった有名な推理小説を連想する。

    当日パンフに脚本・演出の青瀬ハルカ氏が、当初台本から 登場人物の台詞はもちろん性格等が変わったと、その人物像を観察しながら 物語の筋を追うと面白い。物語は 色々な伏線を張り、ラストは怒涛のように回収していく。後出しジャンケンのような ところもあるが、あまり細かいことを気にしていると 面白味を逃してしまう。

    舞台は 古びたバー「Marionetta」、訳せば 「操り人形」か。登場人物たちは運命に翻弄され、それをメタ視点ー頭の中に誰かの『声』が響き始めるーとして奇妙な現象が表れる。冒頭はダンスで魅せるが、その振付が操り人形のようで凝った観せ方だ。全体的に、愉しませる を意識したような公演だ。
    (上演時間1時間35分 休憩なし)

    ネタバレBOX

    舞台美術はBar店内。上手は、白いカウンターと腰高スツール、奥にボトル棚。下手は、テーブル席、後壁は白と黒でピアノの鍵盤イメージ。このモノクロの色彩が何となくスタイリッシュだ。

    物語は、ほぼ説明通りだが、女刑事 黒崎莉央のもとに差出人不明の一通の手紙とあるが、実は他に2人のところへも 赤い封書が送付されていた。そして偶然を装って集められた、もしくは集まってきた人々が何らかの繋がりがあることが、だんだんと分かってくる。物語の肝は、それぞれの人物描写にある。どうして今日、この場所(店)なのか といった謎が1人ひとりの思惑と関係している。

    登場人物の会話と口調が謎の解明に繋がる。そして 関係ない人を巻き込まないため、<貸切>にし 入店を拒む。いわば 緩い密室状態を作り出す。しかし興味の焦点は、トリックの解明ではなく、店内にいる人間の思惑と心情にある。だからこそ、キャスト1人ひとりの演技に熱が入り、ドラマとしての厚みも出てくる。

    もう一つ、黒崎刑事に聞こえる鈴(スズ)の音---ナレーションが絶妙な効果を表している。人知では知り得ない心の声のような、それが迷いであり葛藤を表している。同時に舞台としては、スムーズに展開できる。ラストに明かされる犯人とその動機は…ぜひ劇場で。
    ちなみに、自分が連想した推理小説は「オリエント急行殺人事件」。
    次回公演も楽しみにしております。

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    2025/06/19 06:12

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