Project BUNGAKU 太宰治 公演情報 Project BUNGAKU「Project BUNGAKU 太宰治」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    緊張感があって濃密で
    競演、競技でもあるため、緊張感のある濃密な20分×4本+トークの20分でした。

    ネタバレBOX

    20分という制約の中で太宰を語ろうとすると、太宰を象徴する行為を表現するので少し重なったところはありますが、ここ1、2年の太宰をモチーフにした舞台に描かれていたことも思い出したりして、あまり太宰を読まない私にも、太宰が薬物に溺れていたこと、精神病院に入ったこと、盗作騒動を起こしたこと、心中未遂をしたこと、人間皆そうですが内面に明るい面、暗い面を持っていたことなどを知ることができました。

    金魚鉢からビニール袋という狭い精神病院に入れられて、またそこから金魚鉢に戻されても、金魚鉢という世間自体が舞台全体からみると何て狭い空間なんでしょう。女性が演じていましたが、金魚鉢の中でひょうきんな男や慎重な男たちが、太宰の心の中でああでもないこうでもないとガラスにぶつかっていたんですね。

    総天然色的オールスター総動員、少し緊張していましたか。小説にはモデルがあるのは当然ですが、人の振り見て書けってんですよね。人の日記は文章表現ですから、許可も取らずにそれをまとめるってのは、そりゃあ誰もが素晴らしい作品に仕上げる能力があるとは言いませんけど、やはり太宰の行為はルール違反って言われても仕方ないですね。福寿奈央さんのキリッとした演技が光っていました。

    金にルーズで家に帰らず女と遊び呆ける夫、子供に八つ当たりしそうだった妻でしたが、ひょんなことから小料理屋で働き始めるようになって明るくなって、なんかこちらも楽しくなりましたが、元々夫と知り合う前から明るかったのでしょうね。自分を大切にしたいものです。

    田舎から出てきた金持ちのぼんぼんが、利用されて、薬物やって、心中未遂して、悪びれて、そして冷静に見ているもう一人の自分がいて、薬物は止められないものなんですねというのは、この間、田代まさしさんのトークショーに行ったばかりだったのに、その後逮捕されちゃったりして、私は煙草を4年前に止めましたけど、煙草を止められないような人が薬物を止めろなんて言っているのが可笑しくて、言うなら煙草を止めてからにしろって、それくらい止めるのは大変なんだから、人間失格にならないためにも薬物には手を出すなってことで、時代は変わって煙草もかっこいいものじゃないから吸ってない人は今更手を出す必要はないですよと。

    トークショーの小夏さん、茶系素敵、ブーツ素敵でした。原きよさんの朗読は空気を一変させましたね。江戸弁っぽい迫力がありました。原さんから原きよ賞を言い渡されたときの、谷賢一さんの予想外で驚いた顔が印象的でした。

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    2010/10/11 11:27

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