秘密 公演情報 劇団普通「秘密」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    用松亮氏と安川まりさんの父娘漫才からスタート。十八番の遣り取りに「待ってました!」と観客がどっと沸く。用松亮氏はずっと誰か架空の人間の物真似をしているようにも見える。
    「なに?」(煙草の“ヤニ”のようなイントネーション)。
    「ああ、そうなの」
    「なあんだろ」
    耳が遠いのか何度も聞き返す。同じ話を何度も繰り返す。日常風景の中にカメラをぶち込んで狙っていない笑いを掘り起こすような作風。
    初演はコロナ真っ只中の2022年4月。その前に二度中止の憂き目に遭っての上演。

    実家、茨城県の母親(坂倉なつこさん)が高熱を出して入院。家事が全く出来ない父親(用松亮氏)の世話の為、東京で結婚している娘(安川まりさん)が帰郷。子供はなく、仕事は在宅テレワークを会社が許してくれた。買物をして食事の準備、掃除と洗濯に庭の手入れまで。腰を痛めた神経質で口うるさい父親(用松亮氏)にイライラしながらも。

    母の姉の息子、吉田庸氏は「さらば青春の光」の東ブクロっぽい。隣人の巨体・渡辺裕也氏はインディーレスラーに居そう。
    坂倉なつこさんの病院のシーンは必見。もう役者が演じているとは思えない程のリアル。

    安川まりさんはこのまま行けばとんでもない女優になる筈。

    次作はいよいよ12月にシアタートラム。用松亮氏と安川まりさんも登場。この前に皆観た方がいい。チケット取れる内に小劇場で味わうべき。今なら間に合う。

    ネタバレBOX

    静かで小声なシチュエーションが多い為か、居眠り客多数。だが笑いの多いサーヴィス散りばめた作品だと思う。

    肝となるシーンは、坂倉なつこさんが退院して安川まりさんに庭の手入れの方法を教える。だがそれを見た用松亮氏は怒鳴り散らす。女房が無駄に無理して倒れたと思っていて「余計な事するな!」と叫ぶ。その大声に驚いた隣家の渡辺裕也氏石黒麻衣さん夫婦が何事かと乗り込んで来る。その遣り取りが恥ずかしくなった安川まりさんは頭に来て外出、夜遅く帰る。ずっと帰りを待っていた父母、食事を催促。今から支度するのか、手が痛くてもう嫌だと返す。指の関節が曲がらない程痛んでいるのだと。坂倉なつこさんがその指をさする。「あんたは生まれつき手が小さいから人よりも痛むのかね」。涙ぐむ安川まりさんは食事の支度を始める。

    2ヶ月ということは9月10月なのか?

    石黒麻衣さんは小説を書くべき。それを本当に才能ある奴が監督して映画化すべき。ホン・サンスかな。

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    2025/06/01 20:49

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