『イライラの依頼人とベンベンの弁護人』 公演情報 コケズンバ「『イライラの依頼人とベンベンの弁護人』」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★

    穴吹一朗氏代表の弁護士事務所は家賃も払えない赤字経営。そこに古畑任三郎に憧れる新人弁護士の北原芽依さんが就職。初めての担当となった依頼人は石松千明さん。「殺人を犯したが法廷で無罪にしてくれ」と。報酬に一億円、証拠に預金通帳を見せる。まだ警察に捕まっていない犯罪者の弁護をする為、北原芽依さんは調査に入る。

    主演の北原芽依さんは華がある。演技もかなりキャパが広がった。LAWSON制服がよく似合う。
    迫田けこじ氏、穴吹一朗氏、魚建氏、渡辺シヴヲ氏は助演に回って援護射撃。
    もう魚建氏は自分の中では一種のカリスマ、凄い存在。
    迫田けこじ氏は汗ダクダク。
    飛び道具、事務所の家主、飯島タク氏はザブングル加藤のような表情、スカル・マーフィーやヴァリッジ・イズマイウさえ想起。やたらがなる。
    依頼人・石松千明さんは『あの怪物の名は太陽の塔』のヒロインだった。田中みな実に寄せたメイク。
    パラリーガル(法律事務員)・高根沢裕貴さん、外出時の謎のコール。
    占い師・竹下優子さんは効果的な調味料。アングラ舞踏。前歯一本だけ紅く塗る。

    一番観客が沸いたのは魚建氏と飯島タク氏のドツキ漫才。禿げ上がった額をバッチンバッチン叩き合って赤くしながらの熱演。必死に笑いを堪える共演者達のリアクションは必見。
    是非観に行って頂きたい。

    ネタバレBOX

    作家が抱えた問題意識は本来ならシリアスに訴えかけるもの。ただ照れ隠しと劇団のスタンスとしてベタな笑いにまぶさないといけない。今作は贖罪と復讐がテーマ。贖罪にも復讐にももう意味など生まれない。自分の心の安定の為、儀式として強迫的に背負う。昔の人はそれをカルマと呼んだ。否応なしにどうしようもなく背負わされたもの。作家はシリアスな作品を吐き出すべき時期に来ているのかも。答えのない答を。

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    2025/05/31 09:42

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