朝、私は寝るよ 公演情報 グッドディスタンス「朝、私は寝るよ」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    4年前の初演も観ている。何かもっと舞台が広かった気がしたが当時は小劇場B1だった。二人芝居で男女の不倫関係の話、女のマンションで他人の情事を盗み見ているような背徳感。馬鹿馬鹿しい程、どうしようもない程に純愛。
    前回は立ち込めるどうしようもなさに参った印象。どんなに意気がっても人は現実の前では無力。社会制度の前では黙っておとなしく従うしかない。俺達は自分の心すら革命出来なかった。ましてや社会など。
    演出家を変えてかなり作品のスタイルが変わった。今回の方が訴求力が強い。女が妻帯者の男に、何でこんな奴をどうしようもなく自分は必要としているのか自問自答し続けるような内容。
    綱島郷太郎氏は若い女を物にする魅力に説得力がある。打算がなく誠実に抜けている。その長所が別れ際では全て短所に反転するのだが。
    今泉舞さんは絶好調。今作が代表作なのは間違いない。少女漫画のキャラのような自在な表情。男という鏡に一体自分の何を映しているのか、考える。

    役者を目指してる人なんか観たらビリビリすると思う。凄くイカした悲しい詩。しかも馬鹿馬鹿しくて笑える。
    是非観に行って頂きたい。

    ネタバレBOX

    前回よりもホンの良さが際立った。愛人をコンビニで間に合わせで買ったビニール傘に例える。雨が止んだら用無しどころか邪魔になる存在。

    深井邦彦氏の脚本は食い物を効果的に扱う。『或る、かぎり』で確信した。観客と共有出来るリアルな生理的感覚を求めている。

    永野芽郁と田中圭がこれを演ったら凄いだろうな。時代外れの『愛のコリーダ』。社会規範なんか本当はどうでもいいんだ。

    BUCK-TICK「GHOST」

    歩き続ける何処へ向かう?死神さえ振り向きゃしない
    あなたの夢で私踊る 悪夢の果てきっと出逢う
    透明になれる綺麗な夜 月明かりに彷徨うだけ(中略)

    「愛して」それが口癖 「見つめていて」忘れ去られる
    「愛して」呪文みたいに 「踊っていて」それが悲しい
    「愛して」それが口癖 「見つめていて」

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    2025/05/28 23:41

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