公演情報
On7「マライア・マーティンの物語」の観たい!クチコミとコメント
期待度♪♪♪♪♪
【2ステージ予約済】
5つの老舗劇団の7人の中堅女優により「自分たちが演りたい芝居をやろう」と結成されたOn7の今回の公演(7人中5人と2人の客演)は19世紀に起こり、今も英国で有名な殺人事件のひとつ「赤い納屋殺人事件」にまつわる物語だ。
つい最近も英国の博物館で人間の皮で装丁された本が見つかったとBBCが報じている。この博物館には同じ人間の皮で全面的に装丁された人皮装丁本があったが、今回はその余った皮を背表紙などに用いたものが見つかったのだという。これらの本の装丁に使用されているのは「赤い納屋殺人事件」の犯人ウィリアム・コーダーから採取された皮膚だという。ウィリアムは恋人だったマリア・マーティンを射殺し、遺体を赤い屋根の納屋の下に埋めて、マリアと駆け落ちしたと見せかけて逃亡したという。翌年逮捕されたウィリアムに下された判決は死刑とその後の解剖だった。当時の犯罪者にとって解剖は死刑より恐ろしいことだったという。事件の顛末をまとめた本の装丁にその皮膚を使った訳だ。
が、一見するとそう猟奇的な事件とも思えないのに、なぜそのような厳しい判決が下され、200年間も身の毛もよだつ恐ろしい話として語られるようになったのか。それをこの作品はマリアと彼女を愛した女性たちの目を通して、マリアの生き生きとした人生を、歌や踊りも織り交ぜながら、鮮烈に紡いでいくという。人間の尊厳と愛がどのように描かれるのか、注目したい。
出演者の演技力には問題ないが、ひとつ不安なのは演出が寺十吾だという点だ。私はこれまで多くの寺十演出の舞台を観てきたが、満足できるものが一つもなかったので…。