公演情報
エンギ シャB「叙情詩劇【失楽園】第一部「ゲットー」」の観てきた!クチコミとコメント
実演鑑賞
満足度★★★★
入場無料投げ銭制。
この公演は、叙情詩劇【失楽園】として第一部「ゲットー」第二部「mother」第三部「天国の朴」の三部作を3か月連続で上演し、8月には三部作の通し公演を予定しているという。謳い文句は「命を冒涜する生き方へ問いかける」と言ったところ。
物語は、時代や場所を錯綜させ 人間と社会の関わりを重層的に描き出す。人間の無知や傲慢等といった愚かしさ、その結果 社会は混乱・混沌とし世界は滅んでいく、そんな警鐘を鳴らす。一見、アングラ演劇のような 反体制運動や反商業主義が根底にあるような錯覚に陥る。何もない空間に 壮大にして独特な世界観を創り上げている。それは絵空事ごとではなく過去の悲惨な出来事を出発点にしている。
全体として 描き伝えたいことは解かる。場面と場面の繋がりは断続し、しかも入れ子のようであり劇中劇といった観せ方で、脈略を捉える(追う)ことが難しい。しかし逆に言えば、物語の混沌とした世界観は、舞台ならではの面白さとして感じることが出来る。少しネタバレするが、素舞台(丸椅子3つ)で役者4人(女優3人、男優1人)がその演技力で幾つもの世界を築いていく。しかも女優のうち1人は、交代で舞台技術(音響や照明)を担当する。世界(物語)の違いを表すために舞台上で瞬時に着替え、違和感なく次の場面へ、そして新たな人物像を立ち上げていく。その演技力は見事!
(上演時間2時間 休憩なし)