遠巻きに見てる 公演情報 劇団アンパサンド「遠巻きに見てる」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★

    ネタバレ

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    劇団アンパサンド『遠巻きに見てる』を観劇。

    一昨年、三鷹市主催の期待の若手劇団シリーズに登場したと思ったら、あっという間に岸田戯曲賞を取ってしまい、今やチケットが取りづらい劇団になってしまったようだ。
    因みに私の一昨年のベストワン劇団だったのは言うまでもない。

    あらすじ:
    小林さんとユウコは仕事帰りの道すがら、マラソンランナーに道を邪魔したといちゃもんをつけられる。歩行者優先なのだが、マラソンランナーが勝手に私用道路にしてしまっているのだ。
    あまりの理不尽に頭にきた小林さんとユウコだが、その道を逆に走ると異次元の世界に行けることを発見する。
    そこでユウコは彼らをその世界に追いやってしまおうと考え、小林さんはトリカブトでマラソンランナーの水に毒を盛るという作戦に出るのだが、果たしてどうなるのだろうか…?

    感想:
    前々作もそうだったか、身近な出来事が一瞬にして変わってしまう展開はシュールとも取れなくないが、ドリフターズ的なドタバタ調と生の舞台だからこそ出来る手法をフル活用し、虜にさせてくれる。勿論、演出と俳優陣の芝居があってこそ成立するのが最大の特徴だ。
    あらすじだけを読んでも明らかに観たくなるが、どうやら期待の新作は不出来だった。
    劇作家が岸田戯曲賞を取る前後作は、他者を寄せ付けないほどの傑作を作るのに、今作の消化不良は一体何なのだろう? 前々作の期待値が高かったからか?
    導入部から期待を裏切らない展開と見事なキャスティング(永井若葉、西出結、奥田洋平、岩本えり、重岡漠)には笑わされ、これからどうなっていくのだ?という期待が高まった瞬間に幕が閉じてしまうのだ。何とも言い難い虚しさを感じるオチは満足だが、この終わり方をするなら、もうひと山欲しかったなぁ〜と思った観客は沢山いただろう。いやそれとも気分が高揚した時に閉じてしまうのは劇作家の意図なのだろうか?そのお陰で観劇後は未だに引きずっているのは間違いない。観客を遠巻きに見て、微笑んでいるのは劇作家なのだろうか?
    全ては謎だが…、次回作も必ず観ようと思う劇団なのである。

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    2025/04/24 12:04

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