満足度★★
何がなんやら、誰がだれだか・・・
この作品は、いけませんねぇ。
観客を無視した作家の自己満足の悪い例の典型のような
最も酷い作品に堕ちてしまっている。
何がなんやら、誰がだれだか、最後の最後まで訳がわからない。
あまりの退屈さに
「今度こそ」と思いながら、何度も帰ろうと思ったけど
やっぱり結局最後まで、一応見てしまいました。
でも最後まで、救いはありませんでした。
これって普段、年配者相手の作品を作っているスタッフが
「イマドキの若い人には、こういうのが受けるらしい」って
思いながら、訳わかんなくても、割り切って、というか
何かを信じて、制作されたとしか、思えない。
「娯楽の殿堂 新宿コマ劇場 夏休み公演」として
「あやや」を中心に、芝居の要は熱血・筧利夫、
戦隊レンジャーかテニスの王子様に出てくるような
イケメン若手俳優をゴロゴロと集めて、リーダーに
北村ジュニア、人気の御笑い芸人も加えて
オマケにギャル曽根も加えて一丁上がりって
企画は間違っていないと思うんです、むしろ正しい。
事実2000席以上のキャパを誇るコマ劇は、平日夜にもかかわらず
ほぼ満席だし。
((昨年、「冬ソナミュージカル」にはまって
コマ劇に1ヶ月で15回程度通いましたが、常にガラガラ。
1000人以上集客があっても、この劇場は大箱がゆえに
ガラガラ感が強くなってしまう、実は大変な劇場なんです。))
「We Will Rock You」でお目見えした
電飾マルチスクリーンを多用し、
ドロシーもシンデレラも飛び出した
新宿コマ劇場名物、「3段デコレーションケーキ型セリ付回転盆」も
効果的に利用、ダイナミックな大技は、見ごたえたっぷり。
これも間違っていない。
夏の思い出作りには、こういうベタベタな大仕掛けが
楽しいんです。
新感線を模した、特効や大音響、照明、ポスターなども
まぁいいでしょう。
間違いなく大多数の客層はカブりませんから。
しかし、これらの良い点全てを台無しにしてしてしまう、
最品の出来栄えの悪さは
簡単に言えば稚拙な脚本の責任なんでしょうか?
脚本の「鹿殺し」は、こまばアゴラで観た「卍」やプレゼント
(昔は劇団サイトでチケット予約すると過去の作品のDVD
もらえたんです。1枚2000円のチケットで)
された作品を見ても、
「つかこうへいの影響を受けた作家なんだな」程度で
新鮮味はないけど、それほど支離滅裂な作家では
なかった気がする。
何でこんな風になってしまったのか・・・。
最もニッチなマイナーな人が、突然メジャーな事やれって言われて
出来る訳がない。
いろんな人が、いろいろ好きなこと言って
やりたい事言ったが故に
こんな作品に堕ちてしまったんでしょう。
不幸な作品です。