満足度★★★★★
究極の等身大の演劇。
唯一無二の表現方法とは、そのひと自身がこれまでに歩んできた道、経験/体験したこと、年齢と共に積み重ねて来た歴史、生きざまから滲み出るそれらを等身大で表現することに他ならないのではないか?という観点を大切にして活動しているさいたまゴールド・シアターは蜷川幸雄氏率いる平均年齢71歳の超高齢者団体。
私は今回の公演ではじめてゴールド・シアターの存在を知りました。
総勢40名のおじいちゃんおばあちゃんはひたすらパワフルでチャーミング。
ユーモラスもたっぷり。キラキラと輝いていて。舞台はゴールドシアターの方々のパラダイス、『聖地』と化していました。
作品は、高齢者の視点から老いをテーマにした、ある意味究極の等身大の演劇とも言える趣きで、背景に流れる死の足音と、それを笑い飛ばすかのような明るさが美しいコントラストを描きます。
手放しで楽しめる類の作品ではないかもしれませんが、人生の先輩方が役を、自身を真剣に生きようとする姿に今を生きるひとなら誰しも胸が熱くなり、生きる勇気をもらえるはずです。私もすっかり打ちのめされてきました。
今からでも間に合います。是非、聖地へ。