『笹の音の小夜曲~セレナータ~』 公演情報 劇団40CARAT 【第36回公演『ダーリン×ダーリン×ダーリン』9月15日[金]~9月17日[日]阿佐ヶ谷アルシェ】「『笹の音の小夜曲~セレナータ~』」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★

    アングラ+市民ミュージカル?
    初見です。詩情あふれるファンタジーミステリーを想像していたのですが、アングラ+市民ミュージカルみたいな印象でした。バンド生演奏は幕開きはいい感じだったのに、途中、音が大きすぎて、役者の声がかき消されてしまう場面があったのは残念。

    ネタバレBOX

    何もかも中国人の仕業にして終わってしまう雑な筋書きと謎解きにはがっかり。
    押入れから刑事が登場したり、母親が姥捨て山志向で自らダンボールに入ったり、姉娘の葵(ミヤタユーヤ)を芸能界にスカウトしようと怪しげな「ギョーカイ人」たちがやってきて安っぽいお笑い場面を演じたりする場面は、どこか唐十郎のアングラ劇を思わせるが、新鮮味に欠ける。
    舞台後方が開いて竹取物語のような場面が出てくる終盤もアングラっぽい演出で、さんざん音楽や照明で盛り上げたあとに、定年退職の日、姉娘(実は青年)に刑事の流石が刺殺されてしまう場面が続き、これもクライマックスとなるため、全体的なインパクトが弱まってしまった。
    渡辺勝のすすり泣くような歌唱もアングラ風味。それに比して、「笹音のかげぼうし」のコロスが出てきて、「地上の星」を大合唱する場面は、市民ミュージカルのようで素人くさく、ちぐはぐな印象。
    俳優では、意図的に棒読みで台詞を言う母親役の鈴ノ木まろが唯一女優らしく、印象に残った。刑事の流石(鹿又隆志)は安定感ある演技だが、「情熱大陸」「プロジェクトX」「ガイアの夜明け」「カンブリア宮殿」などのTV番組名を連呼して、「憧れだ」と言わせる場面は不要に感じた。刑事コンビの流石の相棒・亀有役のヴィンは意図しない棒読み演技で台詞もとちるなど、鹿又の足を引っ張っていた。芸能事務所の社員の山田香が声量がないためか、大声を出しているのに、音楽や他人の台詞がかぶると聴き取りにくかった。女社長をオカマの俳優、天海朋に演じさせるのは笑いをとるためなのだろうか。「白い白馬の王子様」と台詞を言い間違え、あわてていたのがご愛嬌。
    HPを読むとコンセプトが明確に思えたが、実際に観た芝居は雑駁な印象で、目指す演劇スタイルがよくわからない劇団だった。

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    2010/09/19 00:36

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  • まろ様

    コメントありがとうございます。
    まろさんの演技はとても印象に残りました。劇団の説明に、「うちの芝居は全員が主役」のようなことが書かれていたと思うのですが、主要な役の俳優さんだけでなく、やはりアンサンブルの俳優も演技の質を吟味して選ばないと、真の意味で「全員が主役の芝居」になりえないと思うのですね。
    身内だけに観せる趣味の公演ではなく、有料公演にする以上、そのへんが今後の課題だと思います。演技の質の向上を図る過程で、劇団のカラーも鮮明になっていくのかもしれません。
    今後に期待したいと思います。

    2010/09/21 12:05

    きゃる様

    この度はご来場いただきまして、誠にありがとうございました。
    そして、お気に召していただけなかったにもかかわらず、このように事細かにコメントいただけましたこと、ありがたく思っております。
    身内がお客様の大半を占めることが多い小劇場界において、きゃる様のような率直なご意見はなかなか聴けるものではないので、とても参考になります。

    頂いたご意見を、とにもかくにも真摯に受け止め、この先きゃる様が当劇団の公演を観てくださることがあった時に・・・「こいつら少しは成長したな、意見書いて無駄じゃなかったな」と思っていただけるように、日々精進していきたいと思っております。

    貴重なお時間を割いてくださっての観劇・コメント、本当にありがとうございました。

    制作 鈴木稀紀子(鈴ノ木まろ)

    2010/09/21 10:50

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