満足度★★★★
楽しめる社会派サスペンス
「小さな街のおとぎばなし」というより、社会派サスペンスとしてなかなか楽しめました。真相がすべて明らかにならずに終わるのですが、謎は謎として肝心な部分はもう少し丁寧に描いてほしかったという気がします。サスペンスでも、伏線を重ねるよりも会話を中心に人物に注目させながら淡々と進行する点で小劇場に適したお芝居だと思いました。
この脚本家の一番良いと思う点は、日本語がきちんとしていて、言葉を丁寧に扱っていること。サラッと流す会話でも、それがきちんと守られている点に好感が持て、最近の小劇場芝居では稀少だと思います。
役名に名古屋方面の地名がさりげなく使われていました。
パンフに顔写真が載っているのも親切。次回作、次々回作まで公演予定が載っていて、なみなみならぬ意欲を感じました。書きたいこと、やりたいことがたくさんあるのでしょう。
自分の気持ちの中ではいま一歩、☆3.5という感じで大変迷ったのですが、今後への期待と“敢闘賞”という思いを込めて☆4つとさせていただきました。