ゴーギャンおやじ2 公演情報 グワィニャオン「ゴーギャンおやじ2」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★

    いかりや長介の声がする。「次、行ってみよ〜!!」

    東福生駅、横田基地の街。そこで生まれ育った主人公(山口勝平氏)の一代記。破天荒な親父(西村太佑氏)、安保闘争で丸太ん棒をぶん回して機動隊と戦ったWILDなお袋(上高涼楓〈かみたかすずか〉さん)。貧乏だったが米軍ハウスで暮らした少年時代。(主人公の少年時代役は天野ユウ氏)。あの頃は誰もが『あしたのジョー』に憧れた。父が始めたボクシング・ジムでボクサーへと前のめりで走り出す。

    PBB(パーフェクト・ビッグ・ボクシング)にPPP(パーフェクト・プリティ・プロレス)というネーミングセンス。挿入される新興女子プロレス団体のエピソードはつかこうへい風味。園山ひかりさんが凄く良かった。

    「この街は軍用機の音でいつも話が遮られる。」
    山口勝平氏がやたら格好良すぎる。サム・ペキンパーの苦味。人生って奴は栄光や夢へと駆け登る甘い子供向けのは第一部、序章に過ぎず、本篇は第二部からなんだ。転落して何もかも失って惨めに生き長らえる。誰もが去っていく。もう体面も糞もない。生活していかなくちゃ。払うものを払わなきゃ。

    一番好きなシーンは郷里に戻り、かつて住んでいた米軍ハウスに寄ると今ではコーヒーショップになっている。店を経営し画家でもある青井はれる(松浦裕美子さん)との邂逅。ここのシークエンスがまさに映画。作家の込めたものが凝縮してある。

    魚建氏の丹下段平も最高。
    遠藤純一氏は佐村河内守に見えた。
    日替わりゲストのインフルエンサー役、桜咲千依(おうさきちよ)さんも狂っていた。凄くリアル。

    ガッチリした脚本、第二部は文学だ。次回は来年5月に朗読劇!勿論これも観たくなる。

    ネタバレBOX

    『あしたのジョー』(アニメ版)の主人公・矢吹丈は生きる目的、戦うモチベーションの全てであったライバル力石徹を試合で死なせてしまう。半年程放浪し何かに吹っ切れてもう一度ボクシングに帰って来る。そこから始まるのが『あしたのジョー2』。今作もそれに習い人生第二章の意味でこのタイトルを付けている。

    ラスト、自分の脳裏に流れてくるのはやはりSION「通報されるくらいに」。

    褒められたくて気にして欲しくて解って欲しいことが
    見返したくて格好つけたいことが全部力をくれる
    同じ景色に蹴躓いてまた無様にコケたとしても
    笑われても相手にされなくても···それがどうした⁉
    ほら通報されるくらいにYEAHぶっとばすぜ!!

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    2024/12/02 18:26

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