実演鑑賞
満足度★★★★
昭和に起こった実際の事件を元にした舞台シリーズ
かすかに記憶にある1973年の立教大学の事件で、最初の場面のナレーションでその頃のことを思い出す
開演前からかかる曲も懐かしい
中央の舞台で演じるのは1人~4人で、転換のたびに誰かがその前に立ってナレーションし状況が分かりやすかった
周囲に数名が座る演出も面白い
最初と最後は主人公大迫が「ジキルとハイド」のスティーヴンソンの詩を読む完全な反復で呼応していたが、そのとらえ方は異なってきていた
カラスの声や雨の音などの音響が絶妙だったのだが、最後の一家心中の前の回想シーンの井上陽水の歌はやかましすぎた
この場面は対比を狙ったのだろうが唐突な明るさでやりすぎという感じがした
これがせっかくの雰囲気を壊して残念だった
教授の「どう負けるかだ」というセリフがすべてを語っていたかな
キャストは皆好演で、大学職員阿久津役の清水ひとみがなかなかいい味を出していた