大きな泡の巣の中で 公演情報 ハグハグ共和国「大きな泡の巣の中で」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    面白い。さすがハグハグ共和国の公演。
    タイトル「大きな泡の巣の中で」からファンタジーといった物語を連想していた。確かにフワッとし柔らかく捉えどころのない雰囲気の物語だが、その独特の世界観に潜ませた内容は強靭だ。童話小説のようであり寓話的な表現で観せており、ラストへの誘いは上手い。飄々とした中に、混交とした少女の夢想と現実。

    少しネタバレするが、ここは「夢と現(うつつ)の挟間」で、どこかドリームランドのよう。役者のメルヘンチックな衣裳やメイクも楽しめる。ここで紡がれる話は、幾重にも重なり何が夢想で現実なのか、混沌とした世界の果てに見えるのは…。公演のエンディングは全部で3種類あり、自分が観た回はホッとさせる結末。ぜひ劇場で。
    (上演時間1時間40分 途中休憩なし) 【🌳回】 11.10追記

    ネタバレBOX

    舞台美術は、正面にドリームランドのような壁や扉、上手に木が逆さまになり上部は根っこのような形、下手は観覧車 ゴンドラを模ったオブジェ。舞台と客席の境の上手 下手に簡易テーブルと椅子があり、舞台(物語)を眺めるというか俯瞰するような。

    全体的に浮遊感ある空間、そして この世界はどこかを説明する。それが「夢と現の狭間」であり、そこで描かれる幾つかの話が神話のようであり現実(史実)を連想させる。<木が逆さま>は、バベルの塔(空想的で実現不可能)の比喩であり 人の傲慢さを語る。また この地はあと僅かで滅び無くなる、その前に他の惑星に移住する必要がある。しかし、そこへ行ける人々は選ばれた人々だけ、まさにノアの箱舟(人々の堕落)だ。また場面が変わり、メルヘンチックな衣裳から黒っぽい制服、そして後ろ手にされガス室で倒れていく。アウシュビッツ収容所、ホロコーストを連想させる場面である。

    今見ている光景は夢想なのか現実なのか、その曖昧な意識の下に自分が何者なのか、そして何をしているのか自問自答する。そしてドリームランドのような この場所はどこか。上手 にある椅子に主人公 浅葱涼芽が寝ている。一方 下手には萌葱が…。
    登場人物の名は、ララ・ローザン・サンディ・ブランやリオン・メルクーア・ジョーヌ・ジャッロ・テールなどカタカナ、他方 手鞠グループの社長?、クリエイティブ会社の運営者?など 必ず<?>が付いている。この名前に重ねた世界観が捩じれて混沌としている。カタカナという童話小説、<?>という曖昧さ、この空想を現実に絡める巧さ。

    見える光景は、環境や平和など人類が直面している問題ばかり。その現実を直視せず部屋に閉じ籠っていて良いのか。夢想の世界へ逃避したままで、といった鋭い指摘を投げかける。涼芽は歩き出し、正面(心)の扉を開けると、そこには眩い光が(自分が観た回)…。ちなみに下手の萌葱は涼芽の飼い犬、彼女の心に寄り添っていたような。
    次回公演も楽しみにしております。

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    2024/11/08 00:26

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