大きな泡の巣の中で 公演情報 大きな泡の巣の中で」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.3
1-4件 / 4件中
  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    舞台上の空間的にも、物語的にも密度が半端なかった。
    萬劇場の舞台上に20人以上がいるのに全ての進行が本当にスムーズで、それだけで感動してしまった。
    ダンス、歌、殺陣、全部盛り。これだけ盛り込んで100分程度の上演時間。
    入口の飾り方から、受付、入場、着席後の前説アナウンス、本当にね、手作りの温かみがありながら、行き届いてる団体さんなんですが。そのうえで、芝居の質もね、本当に高いんです。

    今作は決して難解すぎるわけじゃないけど、押し寄せる密度を浴びせられる感じが強く。
    自分としては、かなり詩的、散文的に感じたんですが、テーマパークを体感する感じってのも、そうだと思った。
    全体的には楽しいテイストに覆われてます。
    ただ、ハグハグさんは物語の真相に、残酷さ、切なさがあって。
    そこに創作で寄り添うような作風とゆうか。

    本当に密度がある芝居なので、一回でも十分楽しめますが、リピートすることで見えてくるものも本当に多いので、出来ればリピート出来る環境で観てほしいなって思います。

    ネタバレBOX

    マルチエンディングは、同一のエンディング(真相)の視点を変える感じです。
    エンディングを観ることで芝居全体の見え方は変わるけど、エンディングによってハッピーエンドがバッドエンドに変わったりはしません。
    ただ、一回エンディングまでみてからもう一度本編を観ると、マルチじゃない部分にある、色んな要素が浮かび上がってくると思う。
  • 実演鑑賞

    華やか。

    ネタバレBOX

    「サンタクロースが歌ってくれた」とか「くるみ割り人形」なんかを連想しました。
  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    花の回観劇。ハグハグの芝居を観るのは実に7年ぶり。やはりハグハグの世界観だった。メルヘンのようで,ダークに深く,考えてしまうところがある。3つの結末があるということであるが,全て観たいような気も…。でも,このヴァージョンも面白かったのは間違いない。さすがハグハグの芝居にはハズレはない。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    面白い。さすがハグハグ共和国の公演。
    タイトル「大きな泡の巣の中で」からファンタジーといった物語を連想していた。確かにフワッとし柔らかく捉えどころのない雰囲気の物語だが、その独特の世界観に潜ませた内容は強靭だ。童話小説のようであり寓話的な表現で観せており、ラストへの誘いは上手い。飄々とした中に、混交とした少女の夢想と現実。

    少しネタバレするが、ここは「夢と現(うつつ)の挟間」で、どこかドリームランドのよう。役者のメルヘンチックな衣裳やメイクも楽しめる。ここで紡がれる話は、幾重にも重なり何が夢想で現実なのか、混沌とした世界の果てに見えるのは…。公演のエンディングは全部で3種類あり、自分が観た回はホッとさせる結末。ぜひ劇場で。
    (上演時間1時間40分 途中休憩なし) 【🌳回】 11.10追記

    ネタバレBOX

    舞台美術は、正面にドリームランドのような壁や扉、上手に木が逆さまになり上部は根っこのような形、下手は観覧車 ゴンドラを模ったオブジェ。舞台と客席の境の上手 下手に簡易テーブルと椅子があり、舞台(物語)を眺めるというか俯瞰するような。

    全体的に浮遊感ある空間、そして この世界はどこかを説明する。それが「夢と現の狭間」であり、そこで描かれる幾つかの話が神話のようであり現実(史実)を連想させる。<木が逆さま>は、バベルの塔(空想的で実現不可能)の比喩であり 人の傲慢さを語る。また この地はあと僅かで滅び無くなる、その前に他の惑星に移住する必要がある。しかし、そこへ行ける人々は選ばれた人々だけ、まさにノアの箱舟(人々の堕落)だ。また場面が変わり、メルヘンチックな衣裳から黒っぽい制服、そして後ろ手にされガス室で倒れていく。アウシュビッツ収容所、ホロコーストを連想させる場面である。

    今見ている光景は夢想なのか現実なのか、その曖昧な意識の下に自分が何者なのか、そして何をしているのか自問自答する。そしてドリームランドのような この場所はどこか。上手 にある椅子に主人公 浅葱涼芽が寝ている。一方 下手には萌葱が…。
    登場人物の名は、ララ・ローザン・サンディ・ブランやリオン・メルクーア・ジョーヌ・ジャッロ・テールなどカタカナ、他方 手鞠グループの社長?、クリエイティブ会社の運営者?など 必ず<?>が付いている。この名前に重ねた世界観が捩じれて混沌としている。カタカナという童話小説、<?>という曖昧さ、この空想を現実に絡める巧さ。

    見える光景は、環境や平和など人類が直面している問題ばかり。その現実を直視せず部屋に閉じ籠っていて良いのか。夢想の世界へ逃避したままで、といった鋭い指摘を投げかける。涼芽は歩き出し、正面(心)の扉を開けると、そこには眩い光が(自分が観た回)…。ちなみに下手の萌葱は涼芽の飼い犬、彼女の心に寄り添っていたような。
    次回公演も楽しみにしております。

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