ビキニも夢みる白い部屋 公演情報 KENプロデュース「ビキニも夢みる白い部屋」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    満席、増席していたようだ。
    この演目、10年前にも観ているが、やはり面白い。
    説明にある入院先の病院は謎だらけ、外出はおろか、飲食・新聞など外部との接触は一切禁止、おかしな規則が多い病院。そして主人公は主治医より、自身の記憶を失っていると。治療が始まって、段々現実と夢の世界の区別がつかなくなっていき…。物語(表層)はストレートプレイなのに何故か違和感が、この不思議感覚が公演の肝。明るく楽しく、そして おちゃらけた場面で繋ぐが、これらを物語の根幹を支えるショートストーリーのように紡いでいく。
    脚本・演出は秀逸だ。ストーリーはネタバレになるので書けないが、途中で話しが散らかり冗長といった感じになり、これをどう収拾するのか。よく使われると思う手法で…見事!

    病院という設定から、白衣の看護師が何人か登場する。始めに登場するのが、神崎なお(タオ桃果サン)と婦長 水谷ゆうこ(橋本深猫サン:前回にも出演)。タイトルにあるように 登場する女優陣は皆ビキニ姿になるが、前回より お色気度は少ないような。演技は、生き活きと演じており楽しめた。登場人物のキャラ設定にもメリハリがあり、分かり易い。舞台美術は平凡で、最小必要限であったが、それが逆に芝居に集中させる効果がある。軽妙に展開するが内容はシュール。結末は、冒頭に明かされているのだが、その台詞を聞き逃さなければ…。ぜひ劇場で。
    (上演時間 2時間 途中休憩なし) P(ピンク)班  11.3 追記

    ネタバレBOX

    舞台美術…上演前は病室の仕切りカーテンで見えないが、幕が開くと そこは大(3人)部屋でベットが3つ。上手に病室入口のドアがあり下手に窓がある。3つあるベットには、既に2人が入院しており、そこへ主人公の金田雄太が大怪我をして運ばれてくる。この病院 規則は厳しいが、患者は自由気儘に過ごしている。

    上演して直ぐ、暗転したまま 音声で「この物語は僕のモノローグです」という台詞が流れる。ラストになると「なるほど そういうことか」と言葉の意味が氷解する。色々な妄想が頭の中を駆け巡り、登場人物たちの性格や立場が錯綜する、それが物語の肝。そして「人生は舞台だ」「人を傷つけるのも 癒すのも人」等、場面にあった珠玉の台詞が印象的だ。

    本作品の初演は2008年だとか。当日パンフに 代表の加納健詞が「今の時代にあわない所も多少ありますが、だからこそ、そのまま上演する事」とあり、「コンプライアンスのコの字もない」とある。<舞台 コメディ>であるが、世の中だんだんと不寛容になり、それゆえ自由度も狭まっていくような。舞台として描くには、主人公=入院患者の立場云々といったことが言われそうな危うさが…。

    セクハラ・パワハラ等が厳しく問われるようになった今、劇中そのようなお色気シーンがあるが、せめて舞台という虚構の中では弾けて楽しみたいもの。
    次回公演も楽しみにしております。

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    2024/11/01 01:23

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