実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2024/10/17 (木) 14:00
座席1階
芭蕉役の内野聖陽が4人の若手俳優を黒子として演じる俳聖の一代記。パンフレットによると「自分は汗かきだから」とは言いつつ、この舞台のために坊主頭にしたことを述べている。テレビなどで引っ張りだこの俳優だが、こんな一人芝居もこなせるんだと新しい顔を見つけた感じがする。
12年ぶりの再演という。奥の細道の旅路が後段のメーンとなるが、俳句が和歌に比べて一段下に置かれていた当時の状況への怒りとか、俳句は天から降りてきたものをいただくという姿勢などは、芭蕉のことをちゃんと学んでいなかった自分には新鮮。内野は冒頭からユーモアを交え、自分がこの役を受けるに当たっての経緯から説明。時に単調になりがちな旅路の紹介を細かく場に分けてメリハリを付け、おやじギャグなどを散りばめた演出で客席を楽しませた。
ただ、あまりにもおやじギャグっぽい笑いが続き、高齢者はともかく年齢の若い観客にはどうだったか。とは言え、内野聖陽という俳優の魅力を再発見できるいい舞台だった。