実演鑑賞
満足度★★★★★
アーサーミラーの作品の【るつぼ】が気になり観劇した
【るつぼ】は前から知っている作品だったのですごく楽しみにしていました‼︎
元々、人数がそこそこ多い内容なのだが
1人の役者が何役も演じていて興味深かった
特に序盤に出て来た少女の1人が男性が演じていて驚いた
最初は後ろ姿しか見えておらず
普通に女性だと思っていたが
声と顔を見て男性だとわかった
この人は少女役だけなのかと思っていたが
途中からエゼキエル・チーヴァー役のユウキ氏だとわかった
前に見た時はチーヴァーは印象に残らなかったが
今回のチーヴァーは序盤に少女役もやっていたところから
かなり印象に残る役だった
中盤は法廷側で悪役っぽさが強い役だったがハマり役でとてもよかった
後半の少し心が動き始めたところにもウルっと来てしまった
主役を演じていたお二人の演技も素晴らしかった
ジョンの葛藤やエリザベスの葛藤
お二人の演技に賞賛を与えると共に
舞台で泣かせてくれた事に感謝したいと思う
他の役者も演技経験が少ないんだろうなと思う方は
たくさんいたが
皆さんの愛を感じました‼︎
力を合わせて素敵な舞台を作り上げた事に賞賛を与えたい‼︎
2024/10/04 11:40
一人の役者が何役も兼ねるという形式は、シェイクスピア劇では普通のことなのですが、『るつぼ』は一場面が長く大人数が舞台上に滞在し続けるため、役者が複数役を兼任するのが難しい脚本でした。でも、三幕から登場するチーヴァー役のユウキさんが、一幕の少女役も兼任すると申し出てくれ、スザンナ役もお願いすることになりました。女の子の扮装が似合っていて、序盤では男性だと気づかない人も多かったようです。
チーヴァーは悪役として描かれることが一般的ですが、ユウキさんは人間味溢れる一人の生きた人物像を見事に創出して演じていました。この役に限らず、善玉・悪玉の区別のない、どちらにも転びうる人間の姿を、どの役に於いても表現したいということが演出の一つの意図でした。その内面性を感じ取っていただいて、大変嬉しく思います。
ご指摘の主役ジョン・プロクターを演じた平澤智之は、シェイクスピア作品以外の役は今回が初めての挑戦でした。“素朴な一人の農民の男”を演じ、多くの方に評価していただきました。
他のすべての役者が原作通りの役柄、またはそれ以上の役を見事に演じきり、素晴らしい功績を残してくれました。演技経験が少ない役者や、障がいを持つ役者、フルタイムで仕事をしながらの役者、様々な人達が出演しています。皆それぞれの立場で全力以上の力を注ぎ、この難しい作品を生きた舞台にしてくれたと思っています。その彼らを称賛するお言葉をいただきましたことに、心より感謝を申し上げます。
機会がありましたらまた劇場に足をお運びください。