ヘッダ・ガブラー 公演情報 ハツビロコウ「ヘッダ・ガブラー」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    本作どこかで観たと思っていたのは思い違いか(戯曲を前半だけ読んだ、等あり得る)、、あるいは毎回驚かされるハツビロコウ流アレンジによるものかも・・。
    どちらにしても細部(特に後半)は記憶になかった。
    以前「触れた」時の人物イメージとはまるで異なる人物が登場し、書かれて百年を経た戯曲の上演とは思えない現代性と、物語構築の精妙さがやはり印象に残る。

    二日後に落ち着いて当日パンフを眺め、主宰の弁を見ると、ヘッダの戯曲をある軸を通すべく松本氏が「書いた」と書いてある。毎回気になっていた優れたテキレジだが、今回はより大胆に書き直したという事か。
    特殊な人物としてのヘッダではなく、ごく普通の女性としてヘッダを捉え直した、との弁であるが、近代の憂鬱を捉えたイプセンの洞察による人物造形は、当時は(周囲の反応等で)センセーショナルに演出するに値しても、現代的視点で捉えれば「普通にいる」のかも。もっともヘッダに象徴された人間の「善悪の彼岸」を求める性質は、今も大きなテーマであり続け、収縮に向かう日本の思想状況では強力なアンチに。(三島由紀夫の価値はこうして時代に逆照射される。。)
    変わる事なく息詰まる緊迫劇を作るハツビロコウである。
    今回は原作を読みたくなった。

    ネタバレBOX

    チェーホフ作品にもあるが、「ピストルを撃つ」場面が衝撃的シーンとして登場する劇では、火薬でパチンとなる銃を使うか、衝撃を伝える銃のSEを使うか、迷う所なのだろう。だが大概はパチンよりズドーン(SE)の方が良いと思える事が多く、今回もちょっと惜しいな、と思えてしまった(展開を伝える上では大きな問題は無いのだが、観客はこれを大きく受け取りたいのだな)。

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    2024/09/12 08:59

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  • 観てきた!クチコミありがとうございます。
    「原作を読みたくなった」何よりも嬉しいお言葉です。

    イプセンの物語自体は140年後の今も変わらずに面白いのですが、
    おっしゃる通り、観客側が感じる「普通」と「普通じゃないこと」は当時とはかなり変わっています。
    劇中で起こるいくつかの「事件」(ヘッダ・ガブラーは特に事件が多いように思います)が140年前はどれほどセンセーショナルに受け取られたのか、それを現代ではどう表現すれば同等の印象を与えられるのか。
    今回はその点に注目して創作をしました。

    いつも丁寧に書いていただきありがとうございます。大変参考になります。

    2024/09/15 08:26

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