口紅を初めてさした夏『ご来場ありがとうございました。』 公演情報 TOKYOハンバーグ「口紅を初めてさした夏『ご来場ありがとうございました。』」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    2時間もののドラマ
    恋人を不慮の交通事故で亡くした30代半ばのスナックのママを、主人公に、ママを気遣う従業員、そして、常連のお客たち。
    そんななか、一人の女の子がふと、お店の戸口を空けたことから物語は急展開を始める。

    ネタバレBOX

    恋人の突然の死によって、心にぽっかりと穴があいてしまったようなママ。
    亡くなった恋人とママは結婚まで約束した間柄であった。

    そんななかに現れた少女は、亡くなった恋人の子供であるという。
    その少女は、両親の離婚後、母は彼女を置いて家を出、父は仕事が忙しく面倒を見れないとの理由から、長野県の父方の祖父母に預けられたいた。
    ところが、祖父母では埋められない心の隙間があったのであろうか、父からときどきいていたママに母親の面影を見、夏休み期間をママと一緒に過ごしたいと考え、単身、長野から出てきたのだった。

    従業員、常連の計らいもあって、結果的に、夏休み期間に限り、同居することを受け入れることになる。

    結婚の約束までにしていたのに、子供がいるとという事実を知らされてい中多ママは大きく動揺する。
    また、彼女は実の母親である先代のママが起こしたスナックを引き継でいたのだが、母親がママであったがばっかりに、幼少期つらい目にも逢ってきたこと、少女との遭遇によって思い出す。また、少女にも自分の母親同様に、つらくあったってしまい、結果して、自己嫌悪を陥ってしまう。

    しかし、時の経過とともに、少女とママは次第に打ち解け、心を通わすようになる。
    ところが、少女と一緒に暮らす約束の期間、つまり、夏休み期間が終わり、
    ついには少女が長野へと帰る日がやってくる。

    その当日、亡き恋人の生前の要望が、その少女の母親にもらいたかったことに気付いたママは、急ぎ役所に、養子縁組のための申請用紙を受け取りに行くのだが、無情にも、少女を引き取りにきた実の母親とともに、少女はスナックを後にしてしまう。
    入れ違いでスナックに戻るママ。呆然としながらも受けれるママ。

    そんななか、カランと扉が開く音がするなかで、終焉を迎える。
    はたして、少女が引き返したのか、それとも。

    結末は観客に任せるという仕掛けになっていた。


    SFの手法が使わず、亡くなった主人公が登場することもない。
    主人公のまま、そして、少女の心模様を丹念に描いている点は評価に値する。
    一方で、SFの手法を使わない分、リアリティが求められることになるが、なぜ?と疑問の湧く設定もあり、全面的に芝居にのめりこむことができなかったのも事実である。

    当劇団の今後に期待したい。

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    2010/08/26 13:48

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