満足度★★★★
毎秒間を丁寧に綴る
『旬の観たいもの展2010』参加作品。
時間軸を交差させたり反復させたりしながら物語を紡いでいく演劇というのを近頃よく目にしますが、この作品はそういった手法をとる作品群のなかでも見せ方が極めて独特です。
ひとが『まばたき』をする一瞬にみるもの・みたこと、はもちろんのこと、他者・自己の心理的距離感の確定・不確定の可能性を、両側面からスケッチしていくシュレディンガーの猫のような構造で、正しい答えを求めようとすると、煙に巻かれてしまうような感覚に陥り、なんだか釈然としないのです(もちろん良い意味で)。
一部、突拍子のない箇所もありますが、時の魔法にかけられたロマンティシズムだとおもえばさほど問題はないでしょう。