デカローグ7~10 公演情報 新国立劇場「デカローグ7~10」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    7で描かれた母娘の相剋は身につまされるものではあったし、舞台上で進行する芝居も推進力のあるものだった。にもかかわらず、観ている自分の関心は、どこか人生相談を覗き見するような、ワイドショー的なものにとどまってしまう物足らなさを感じた。

    一方、8『ある過去に関する物語』の高田聖子+岡本玲の対話には「赦し」をめぐる、葛藤や考察がさまざまに現れ見応えがあった。

    ネタバレBOX

    いずれにしても、映画に色濃く記録された土地と時代の固有性を伝えることなしに、このドラマに本当の意味で触れることは難しいのではないかという印象は拭えない。

    装置が象徴的なのだが、10の物語を同じ舞台にのせるために、また日本の新国立劇場の観客に伝えるために、抽象的に、より普遍的に見えるように調理された結果、ドラマが平準化されてしまったのではないか。ポーランドの社会主義時代終盤が近づいていた時代の、カトリック信仰の強さやその意味……に触れて初めて見えてくる、人間の姿もあるのではないか。

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    2024/08/21 09:45

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