今宵、宇宙エレベーターの厨房で【ご来場誠にありがとうございました。】 公演情報 隕石少年トースター「今宵、宇宙エレベーターの厨房で【ご来場誠にありがとうございました。】」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    小耳にはさんだ情報を知りたかった。
    人類が抱く大きな夢に飽くなき挑戦を続けたひとたちの運命がかかっている場面において、そうしたひとたちが不在(見えない)するなか、小さな自己実現を達成することだけに目的意識を持ったようなひとたちのイマイチ煮え切らない言動が、劇的ドラマを実感させないという意味でのリアルっぽさを醸しだしていたことは、空気感としては悪くはないとおもうのですが、対立軸や葛藤など、目にはみえない描写が見えにくかったために、登場人物のだれかに共感したり、ハラハラドキドキする瞬間が訪れませんでした。
    所々にさりげなく織り込まれた料理人らしさを素材にしたギャグはエスプリが利いていて感心したのですが・・・。
    突拍子のない場面設定に実在しそうな人物像をあてはめるミスマッチさや、
    おおまかな筋書きは独創的でしたし、興味をそそられる類のものでしたので、仕組まれた伏線や細かい情報を出すタイミングだったり、芝居のテンポ・リズムを変化させてみたり、場合によっては場面をカットすることも視野に入れて再構成されるともっと伝わりやすくなるようような気がします。

    ネタバレBOX

    科学テクノロジーのめざましい発展により、万有引力のコントロールさえ容易くなった近未来。地球と宇宙とを一本の軌道軸で結び、誰にでも簡単に短時間で宇宙に行くことができる人類史上初の発明品『宇宙エレベーター』の賛否を巡り、実機に乗り込み会合を行うことになった両派の大臣たちに料理を振舞うことになったしがない料理人たちの事の成り行きがほぼリアルタイムで描かれていきます。

    両派の大臣たちの会合は、『宇宙エレベーター』内に併設された厨房の奥に位置するホールで行われているとのことなのですが、ホールと厨房をせわしなく行きかうオーナーからは彼らがどんな話をしているのか、その具体的な『外側』の情報がほとんど入らず、とにかく料理をつくることに集中するよう釘を差すので、料理人の雑談に広がりがもたらされているとはおもえませんでした。

    『何があろうとも職務を全うすることはできるだろうか?』という趣旨があるためでしょうか、強面のSPや、宇宙人という作業の進行を妨げる邪魔者がちょいちょい入るのですがこれらは、その多くが偶発的なアクシデントであることから、なんとなくその場限りの笑いで収まってしまっているようにみえました。

    不思議だったのは、大臣らが厨房に視察することがあるかもしれない、という可能性を視野に入れた描写がなかったこと。
    これがあるだけで、場のモチベーションはあがるはずです!
    そして、この宇宙エレベーターでは彼が切り盛りするレストランが常設予定ということなのでしょうか?それにしてはこのレストランに掛ける想いも意気込みもスタッフ間でバラバラであるように見受けられましたが。
    まずは意志確認のために、朝礼からはじめるという選択肢もあるとおもいます!

    やる気のないバイトがヒレ肉をただ叩いるのを見かねたシェフが「太陽が爆発するようなイメージで。」と独自の料理哲学をレクチャーする場面はよかったです。
    冒頭での賛成派と反対派が対話する場面でガガーリンの名言を文字って「自分は青かった・・・」というひとことなどはエスプリが利いていて好きでした。願わくはあのような笑い(ネタ)もっとたくさん仕込んでほしかったですね。

    また、オーナーがSPに自慢の一品『太陽のフレア』を試食してもらうシーンでは、料理のコンセプトやこの料理に掛ける意気込みなんかを本番さながらにプレゼンしたりする方がナチュラルであるようにおもいました。

    後半、宇宙ステーション(基地局)から更に月へ向かうためにゴンドラに似た設備を利用して向かう場面で、月へ行って地球に戻ってくるだけのあることが発覚し、結果、テレポーテーション(瞬間移動)で地球に帰還する方法が選択されるのですが、これはちょっと予定調和なアクシデントのようにおもえてしまい、アッという驚きはありませんでした。
    予備の燃料タンクが反対派勢力の飛ばした人工衛星によって撃ち落とされてしまったのではないだろうか・・・とかそのような、憶測が絡んでいたら腑に落ちるのですが。
    エレベータの管理会社の人間が登場して、間抜けなトーンで指示していくのはおもしろかったです。
    『心の歪みが時空の乱れを生む』という設定にはおぉ!と唸りました。
    エレベータ内では重力が自動的に中和されているということもおぉ!となりましたが、『エレベーター内では重力が常に中和されている』という情報はむしろ、序盤で引き出されるべき情報だとおもうのです。
    そして、重力がコントロールされていることは、この時代に生きるひとたちにとっては当たり前という認識なのでしょうか。
    そのことについて注約するひとが誰もおらず、皆あまりにも普通だったので、その点は少し気になりました。

    エレベーターが劇中、どの辺りに滞在しているのか、前後することが多々ありましたが、開演時の暗転でNASAの管制官的なナレーションを入れて、エレベーターを離陸させた場面からドラマをはじめるほうが、臨場感が出るようにおもいますし、『心の歪みが時空の乱れを生む』という設定ももっと生かされたのではないのかな、とおもいました。

    あの宇宙人は、エレベータに乗って地球を侵略にやってきたのに、エレベーターガールに恋をしちゃって予定が狂っちゃった・・・ってことだったのでしょうか。
    侵略しにやってきたスパイだとしたら、それらしい行動はあるはずですし、しかも時々ネイティブ(宇宙言語)はふとした瞬間に出てしまうでしょうし、それに基地局も攻めるとおもうのですが。
    反対派勢力の描き方もちょっと中途半端でしたね。着地点がわかりませんでした。

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    2010/08/24 19:02

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