満足度★★★★★
「あの戦争」についての新しいクラシック
時間の流れだけは誰にも止められない。
嘆いても、叫んでも、諦めても、1年、10年、100年…と時間は平等に
人の上を通り過ぎていく。
それは悲しく辛いことばかりとも言い切れない。
自分が当事者だった時は見えなかったもの、しかし本質的なものが
時間の経過に洗い流されて顔をのぞかせることは良くあること。
倉本聰氏は、抑制され、冷静で、上品な筆で65年前の英霊を、
「造られた作者の分身」ではない本物の英霊を赤坂の舞台に生々しく蘇らせた。
川の中の石は流れに削られ、水に磨かれ、さらに端正に輝きを増す。
夏に、「忘れられず記憶される」べき新しいクラシックが誕生した、といえます。
2010/08/17 07:16
2010/08/16 15:14
Corichにお知らせ機能が付いていなかった為、先程気が付きました。
私はレビューはほとんど書きっ放しでいる為、自分のレビューへの
コメントもほとんど存じないのです。 ご容赦の程を。
私が、この作品について知ったのは昨年本拠地の富良野で劇団が本作を
初演したことを伝える新聞記事でした。
レビュー序盤でも書いた理由より、正直多少内容について疑いもあったのですが
この人が、この難しいテーマをどのように扱うのか、純粋に興味があったのです。
その記事には来年東京でも公演、とあったので今日まで待っていたわけです。
結果として、傑作で良かったと今は密やかに感じています。
今年は阿佐ヶ谷スパイダースや三浦大輔(ポツドール)、イキウメにNODA MAPと
序盤から今まで平均的に良作が多いと感じます。下期は9月のサンプル絡みの
二公演が一番楽しみですね。
それでは、またの機会に。
はじめ ゆう