阿呆ノ記 公演情報 劇団桟敷童子「阿呆ノ記」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    面白い、お薦め。
    昔、捨て子・孤児等が寺に集められ、民衆のために死んでゆけと教えられ、人柱・生贄として育てられた子供たちがいた。民間信仰のようなことから材を得て、地続きの今に警鐘を鳴らすような公演。愛情も学問もなく、ただ人身御供のためだけに生かされた童の存在ー「阿呆丸」と呼ばれた。物語では名前が付けられたのか否か、数えるだけの、ひい・ふう・みい という三婆にその役を担わせる。

    本当にそんな伝承・風習があったのか。時代の流れ 大きな渦の中に、その存在は形を変えて浮き上がってくる。時代は昭和初期、物語は昭和12年から始まり日中戦争へ。上演前には、HP説明にあるような「明治政府は…生贄・人柱を殺人罪として禁止 時は流れ 昭和の時代、戦争の足音が近づく頃」と書かれた立板。勿論、生贄・人柱は戦時における出征を示唆している。時代に翻弄されるのは、当時に限ったことではなく、「阿呆丸」は決してあってはならないこと と思う。

    公演では、主役で阿呆村の女頭目を演じた 音無美紀子さんの存在感が凄い。彼女を中心とした役者陣の熱演が、公演を支えているといっても過言ではないだろう。物語の世界観が緊張・緊迫をもって語られる。桟敷童子らしい舞台美術・装置がラストを印象付ける。そう言えば 「獣唄2021-改訂版」(主演:村井國夫サン)の時と似ているような…。
    (上演時間1時間55分 途中休憩なし) 追記予定

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    2024/06/13 06:03

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