短編作品集『3℃の飯より君が好き』 公演情報 劇団印象-indian elephant-「短編作品集『3℃の飯より君が好き』」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★

    演出・一宮周平【Bチーム】

    ①『メイクアップ!』
    役者の首から小さなパペットの身体をぶら下げる人形劇スタイル。このセンスは悪くない。配役の狙いが良い。横室彩紀(あき)さんは流石。

    ②『3℃の飯より君が好き』
    10ヶ月ほど前に妻(尾崎京香さん)が作ったトマトカレー。冷凍保存しておいたそれを解凍して食べようとする夫(花戸祐介氏)。「何で取っておくのか?何故その時すぐに食べないのか?」と考える妻。“今”を冷凍保存しておきたい人間の心理。全ての“今”はあやふやな感情の風の中に舞っている。確かなものを残したがる気持ち。その時、妻の子宮は凍る。

    『海月になりたい』という歌が凄く良い。雪の降り出した海辺の町で、どうしようもなく壊れかけた二人が“今”を手に入れるラスト。

    ネタバレBOX

    もし観るならばBチームがお薦め。鈴木アツト演出はサービスが足りない。余りにも中途半端。

    30人程の客。助成金が出ないと成り立たない演劇。その歪さから目を背けるのは自称文化人達か。

    ①Twitterで叩かれた翌日、泣き出した新行内(しんぎょううち)啓太氏が教室を飛び出すシーンから無理がある。追い掛けた中坂弥樹(みき)さんの弁明、その辺りも嘘臭い。イエロー・フェイスの差別意識では落ちない。本気で差別と向き合いたいなら幾らでも方法はあっただろう。何か適当に問題意識を振り撒いただけで薄っぺらい。痛みと暴力が足りない。実際に黒塗りオセローを演ってみせるべきだった。

    ②凍りつくネタが不要。もっと違う形に置き換えるべき。ずっと自分の中の氷を溶かす為に詩を書き殴ってきた夫。最早それでは溶かせそうにないと思う。夫婦が“家族”を続ける為に何が必要なのか?何が不必要なのか?

    0

    2024/06/06 23:03

    0

    0

このページのQRコードです。

拡大