実演鑑賞
満足度★★★★
那須凛は、家と恋の間で苦しんだり、ダメ男辻潤から心は離れているのに、外見はそれを否定する前半がよかった。後半、大杉と一緒になると一直線すぎて迷いがなくなってしまう。
伯父役の横堀悦男が存在感があった。アジア主義者の頭山満と親交があって、その話もよく出てくる。幼い野枝を預かって育てたそうで、あの伯父があってこその伊藤野江だったという気がしてくる。
それにしても伊藤野江の芝居は、この7年で5本目。永井愛、宮本研ほかいろんな作家がそれぞれの野枝を書く。小説、映画も。村山由佳「風よあらしよ」はNHKでドラマになった。すごい人気である。華もあり嵐もあり棘もある。史上傑出したマドンナであり、スターだ。