サーフィンUSB 公演情報 ヨーロッパ企画「サーフィンUSB」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    なまくら刀で鋭く切るSF
    この劇団の代表作「サマータイムマシン・ブルース」(も素晴らしいが)より、よっぽどSFしている。
    世界を切り取る・記述するSF作品であることと、ヨーロッパ企画らしい日常会話のコメディであることが奇跡的に一致している傑作。
    むしろ、笑いであり一般に“ユルさ”といわれる雰囲気を崩さないままに世界を語り、ディストピアを見せ、それに回答を示す様が秀逸。
    「SFの世界観でコメディやっちゃいました」ではなく、「コメディにSFのガジェット使っちゃいました」でもなく、SFの世界観と人間の関係性こそがコメディであり、コメディであることによりSFとしての切れ味が増している、これぞ本当のSFコメディなのでは。
    生身の、日常の、一般人の身体を引きずって、世界を切り取る、一つのモデルケース。

    ネタバレBOX

    自然への回帰運動であるサーフィンが、科学文明の象徴バーチャルシステムの「サーフィンUSB」に取り込まれてしまう瞬間が、とてもくだらないノリなのに恐ろしい。

    また、決して尖らず、熱くもならず、徹底してくだらない動機と弛緩した空気のまま「自分達がサーフィンUSBでウケなかったから諦める・拗ねる」というしょうもない理由でもってバーチャルやサーフィンUSBなどの“ディストピアな世界”に背を向けさせている。ここが秀逸。

    あとハンバーガーのくだりはまさに話芸の域。

    0

    2010/08/13 01:10

    0

    0

このページのQRコードです。

拡大