きく 公演情報 エンニュイ「きく」の観たい!クチコミとコメント

  • 期待度♪♪♪♪♪

    エンニュイが何度か再演に付している演目を、馴染みのある春風舎でやるというのでこれは観ておこう。

    と書いていたが、一等最初に見たエンニュイが「きく」であった(タイトルを忘れていたが調べて判明)。
    実は好印象を持たなかった公演であり、Corichのレビューにも感想を書いていたが、本当の理由は書いてない。
    低い評価をした理由は些か私的な感情にあった。素の俳優たちがあるテーマで駄弁っているとしか見えない不思議な空気から始まったパフォーマンスが、中盤にさしかかったあたり、跳ねっ返りなノリの男優が薄暗い照明の中、あるタイミングで私の顔に懐中電灯を当て、「笑い者にした」のであった。より正確には、笑いの場面作りのネタにしようとしたか、扱いにくそうな客を懐柔しようとしたか(もしや?)、不意を突かれた観客はそのパフォーマンスのルールも知らず開放的劇空間であった訳でもなく、リアクションが取れない。つまり観客を「使った」癖に、こちらは特段美味しくも何ともなく、自由に動ける(と見える)俳優と自由のない観客との非対称性を、際立たせるだけの場面となった。優位性の強調で作られた笑いは、劣位の存在に対し鈍感・無自覚にさせ、優位の側に咄嗟に同調して発生する笑いである。その構図には賛同しかねる。
    かつ、そこに読み取れる具体的な文脈はなく、客を飽きさせないための姑息な手段に思えた。
    広く寛容に捉えれば、それは「観客参加の場面づくり」、などと抽象的文言を当てても構わないが、どう頑張ってもリップサービス以上にならない。

    が、実験的な姿勢を見せる集団のその後は見たく、時折覗いているという塩梅である。
    即興的な要素を取り込もうと試みている集団であるが、上述した事も示すように難易度が高い。緩くではあるが、時々覗いてみたい。

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    2024/05/20 00:38

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