実演鑑賞
満足度★★★★
面白い、お薦め。
タイトルから、TV放送された世界紀行ドキュメンタリー番組のようなイメージを持っていたが、内容は 社会に蔓延る差別や圧力といった不条理を描いた風刺劇。勿論 TV番組を意識しているが、表層の面白可笑しさだけではなく、間口の広さや奥行きを感じさせる好公演。内容は示唆に富んでいるが、更に この番組制作自体のことが…。
スラップスティック・コメディのように体を張った(表現)場面もあるが、そこにはしっかり観せておくといった意味があり、物語を展開する上での伏線になっているよう。
総じて若いキャスト陣だが、滋味ある表現と飛び跳ねといった躍動感、その硬軟ある演技が物語を魅力的にしている。
ドキュメンタリーということもあり、訪れる村の地理的・人間的な雰囲気を醸し出そうと工夫している。それが衣裳でありメイクである。そして村の祭りの見せ場として、或る玩具を使った遊びをする。その ちょっぴりドキドキする観せ方が、観客の集中力を高める。舞台としての遊び心であろうか?
(上演時間1時間50分 途中休憩なし)